ラジオでも少しだけ取り上げられましたね。 職員の残業代 (映像を見た感想など追記)

毎日新聞のこの記事について、7日のラジオ番組(荻上チキのセッション22 TBS ラジオ)のオープニングで、少しだけ取り上げていました。
(追記 8日のオープニングでも取り上げていました)
関東・東北豪雨 | 常総市職員、残業で給与100万円超も - 毎日新聞
(追記)常総市、水害で残業代増 9月給料100万円超も十数人:朝日新聞デジタル

残念ながら当該部分のネット配信は無いようです。

  追記 音声、こちらにありました。荻上チキ・Session-22 2015年12月07日  荻上チキ・Session-22 2015年12月08日


記憶では、「議員はブログで議会の映像配信を見て欲しいと書いているので、それで判断したいけれど、そうやって時間稼ぎをしている(騒ぎが収まるのを待っている)のではないかとも思えるので、忘れないでチェックしていきたい」というようなことを言っていました。
同感です。



私は、実際の発言内容は全く知りません。
でも、本人の気持ちはどうであれ、そのように受け取れる発言はしたのではないかなと想像しています。


いつかは何かを起こす議員さんじゃないかなとは感じていたのですが、ここまで、でっかいことをやらかすとは。
市民まで、巻き添えになっている。
【え?】常総市職員が342時間の残業で月給100万円超えに市民が猛反発「ボランティアが無償で働いてるのにお前はもらうのか!」 : はちま起稿



議会の録画を見て、すぐに毎日新聞誤報(捏造)だと理解できるものならともかく、どちらにも解釈できるような発言だとしたら、「そのような意図ではなかったが、誤解をさせたことについては、お詫びする」とかいう、全く謝っていない謝罪の言葉では終わりにはできないでしょう。


ブログで新聞は不正確だとかは一切言わずに、真意はこうですと書いておいたほうが危機対応としては良かったんじゃないかなぁと思います。
(本当に毎日新聞誤報だったら、私が、ごめんなさいですけど)



追記
映像配信や書き起こしを見ました。
後出しジャンケンになってしまいますが、感想を書いておきます。
毎日新聞のまとめ方は、妥当ではなかったが誤報・捏造とまでは言えないのではないか。
・なぜなら議員の発言では、自身の考えと市民の声を同列に扱っているようにしか聞こえません。市民の声に議員も共感している、もしくは両方の意見とも、妥当だと考えていると思われても仕方のない発言でした。
・議員のブログを読んでから聞けば真意は違うと理解できるかもしれませんが、当日、直接に聞いていただけでは、わからないことでしょう。
・もし、市民の声は間違っていると議員がお考えなのであれば、明示的に間違いだと発言すべきでした。
・そもそも、災害時に高額の残業代になることや社会保険料の問題を訴えることは市民の声を使わなくても十分に可能なはず。また、そのような市民の声があることは市の職員は直接に聞いているだろうし、想像もできるでしょう。あえて市民の声を議会で取り上げることに積極的な意味があるとは思えません。
・それなのに市民の声を用いたのは、自分の意見を引き立たせるために、市民の声を利用したと解釈するしかなくなってしまいます。(もしくは市民の声に共感しているという解釈になる)
・ということで、毎日新聞の記事に不適切な点があったとしても、それはそれとして、遠藤議員の発言にも問題があったと思います。
・また、

働いた残業代分を当然貰う権利があるという風にも思いますけども、実際市民の声というのはなかなか厳しい物があります。

ですから、私は「貰うな」ということではないですけども、やはり今回の災害でどのくらいの人件費がかかっているのか、こういうことを少し明らかにしていただきたいと思います。

このあたりの発言からは、議員には「職員か残業代を受け取るのは法的に当然ですし文句は言わないけれど、自発的に返上してもいいんじゃないの」という考えがあるようにも解釈できます。(それを言うと、自分の報酬も返上しろという話になるので言えないという)

今ね「はぁ」ってため息こぼれましたけども、実際100万円以上超える職員は、けっこうどの自治体の災害のときでも何人もいるんですね。(略)
今給与がすごく増えてしまった職員がいるということでため息出ました。それも受け止めなくてはならない

市民の反応を肯定しているようですね。

ですから、逆にどうでしょう。選挙のときに行うような特別手当制にして、やっぱり災害時の特別な給与体系。これを今後早急に検討していく必要があるんじゃないかと思うんですけども、これについて今後どのように見直していくのか、お考えがあったらお聞かせ願いたいと思います。

この発言は(社会保険料への対策だとしても)災害時には、高額になることのある残業代でなく、定額の手当として給付したほうが良いと言っているとしか思えないんですが、違うんでしょうか。
・抗議文も、

以上のように、当職は、本件記事のように、「市職員が多額の給与をもらうこと」に対する疑問があるとの意図での質問など行っておりませんし、「給与が高額とならないよう」特別給与体系創設を求めたものでは全くありません。

などと書かれていますが、「意図」や「趣旨」は本人以外には発言から推測するしかありません。
また残業代を、時間ではなく特別な手当による給付にしたら、結果的に高額にはならなくなるでしょう。
議員は残業代と、社会保険料などの負担の増加分とを差し引きしても、十分に職員に賃金が残るような給与体系を考えてはどうかと言いたかったのかもしれません。でも議会での発言だけから、そのように理解せよというのは無理です。
真意が別のものだったとするのなら、あまりにも稚拙な質問だったと思います。




参考リンク
9月の水害時21日間、常総市職員の残業が最高342時間 - Togetterまとめ
常総市の市議が議会で水害対応職員への残業代が高すぎるとボランティアを引き合いに出して指摘 - Togetterまとめ

【大幅訂正】「水害対応の残業代で高給にならないようにしよう」と言った常総市議員はいなかったのか? Ver.2.1 - Togetterまとめ

【まとめのまとめ】
遠藤議員も市職員を時間外給与を抑制すべきというようなニュアンスの事を言っています。また発言の真意が非常に分かりにくい部分があります。この点は遠藤議員にも落ち度があると思います。
また常総市は今回の水害対応で、時間外勤務手当の抑制も行っていると答弁しています。
鼓腹撃壌(規制/まとめ用垢) @KohukUGEKIJO
2015-12-09 14:33:41
毎日新聞は、この点を伝えた事は捏造ではありません。
ただ違う場所で使われた文脈の前後を繋げてしまった事や、遠藤議員が市職員の待遇改善を訴えた部分をカットしてしまい、遠藤議員へのイメージを悪化させるような報道をした事は落ち度があると思います。

水害対応残業代報道 毎日「開かれた新聞委員会」で審査へ | GoHoo
したがって、毎日新聞の記事のうち、遠藤氏が「もらう権利はあるが、全国から来たボランティアが無償で働いている中、市職員が多額の給与をもらうことに市民から疑問の声が上がっている」と指摘したと報じた部分は間違っていない。「給与が高額にならないよう、災害時の特別給与体系の創設を求めた」との部分も、給与高額化に厳しい市民感情への配慮を再三強調していた点で、必ずしも間違いとまではいえない。

ただ、遠藤氏の質問の趣旨を総合すると、災害時の特別給与体系の検討を求めた理由として遠藤氏が挙げたのは、「職員の健康管理」「社会保険料高額化の問題」「高額の残業代に厳しい市民感情」の3点だったといえる。このうち記事では、職員の健康管理と社会保険料の問題に触れていなかったため、遠藤氏がもっぱら給与高額化だけを問題視したかのような誤解を与えた可能性は否定できない。

ブラック労働コメントの遠藤市議、実は質問自体が違う件(石渡嶺司) - 個人 - Yahoo!ニュース
このことがTwitterなどで出ると、今度は毎日新聞を非難する論調が出てきました。
それもそれでどうか、と思います。
ま、遠藤市議が毎日新聞に抗議をする、これはわかります。
しかし、記事の主旨は残業代ですし、まるっきり大外れ、というわけでもありません。(略)
なお、遠藤市議の一般質問は、ハザードマップの不備を指摘するなど、なかなか鋭いものがあります。
公務員志望の学生は全部見ることをお勧めします。


11月定例会議の録画。問題の一般質問の映像は平成27年12月8日に公開されました。おそらく18分20秒くらいからの発言が新聞記事になっているのだと思います。平成27年12月4日の一般質問での出来事なので、公開は9日か10日ごろではないかと思います)
常総市議会インターネット議会中継−平成27年11月定例会議 12月4日 本会議 一般質問 遠藤 章江 議員
書き起こしがありました。
遠藤ふみえ・常総市議の質疑書き起こし「働いた残業代分を当然貰う権利はあるが実際の市民の声は厳しい」
【全文】水害の常総市議発言「災害時の特別な給与体系の早急な検討を」 - ログミー


追記
きっかけとなった記事を書いた記者さんが続報を書いていましたので、リンクしておきます。(同じ記事だけど東京版と全国版でタイトルを変えている?)

災害時激務:どう解消 鬼怒川決壊の茨城・常総市職員、平均残業139時間 - 毎日新聞
常総市職員:残業300時間超も 鬼怒川決壊対応で - 毎日新聞
昨年9月の関東・東北豪雨により鬼怒川の堤防が決壊した茨城県常総市では、育児休暇などを除いた全職員492人が出勤した。災害発生後3週間の時間外勤務(休日出勤を含む)は平均139.2時間。最長は部長(1人)の342時間。時間外勤務手当は管理職も含め総額1億3000万円に上った。主査兼係長ら十数人は、9月の給与支給額が100万円を超えた。

 だが、この給与について、市民の賛否は分かれた。「市職員も被災したが、業務を優先した。働いた分だけ給与をもらうのは当然」(67歳男性)と理解を示す声の一方で、「被災し働けない市民も多い中、市職員はもらい過ぎ」(72歳男性)との意見もある。昨年12月の市議会で給与額が明らかになると、市には批判の電話やメールが寄せられた。

追記
毎日新聞の開かれた新聞委員会の見解がネット公開されていましたので、記録しておきます。

開かれた新聞:委員会から 議会質問の記事 市議「謝罪と訂正を」 /茨城 - 毎日新聞
2016年3月3日 地方版
趣旨のねじ曲げはない 注意して書くべきでは
 2015年12月5日茨城面に掲載した「市職員 9月分給与100万円超も 常総・水害対応で 残業最高342時間」の記事に対し、常総市議会でこの問題を取り上げた遠藤章江市議から抗議がありました。毎日新聞社は第三者機関「開かれた新聞委員会」に見解を求めましたので、結果を報告します。


ところで、このブログは、あまり更新しなくなると思います。
なんかもう、行政とか議会とかに関わりたくなくなりました。市民運動とかにも。


別に、今までもそれらに関わってきた訳でもありませんが、いちいち書くのも馬鹿らしくなってきたというか。
ちゃらちゃらと、テキトーなことを書き散らすようなことなら、書くかもしれませんけどね。
これまでのような体裁の記事は、もう書かないと思います。
じゃね。