児童の心臓疾患の話
7月の話になりますが、児童の心臓疾患について、「再び増加している」という新聞記事があり、その調査を行った団体の資料もネットにありました。
当ブログでは以前から、この件について書いてきましたので、時期外れになりますが記録として記事にしておきます。
茨城県内では放射線量が高めの県西部のみ引用しました。元の資料には他の市町村のグラフもあります。
常総市やつくばみらい市では低下していますし、取手市でも要管理(棒グラフ)は減り続けてますね。守谷市も震災前と同等に戻っただけにも読めます。
子どもネット ◆平成26年度 子どもたちの健康調査報告〜小中学校検診・心臓検診結果(子どもの健康を守る市民ネットワーク) とりで生活者ネットワーク
資料の中に出てくる、毎日新聞の2014年9月5日の記事はこちら。自動車の排気ガスの調査用機器のろ紙を分析したそうです。
東日本大震災:福島第1原発事故 東北・関東、1週間後にも放射性雲 セシウム高濃度 - 毎日新聞
東京新聞:小中学生心臓検診 要精密検査 再び増加傾向:茨城(TOKYO Web)
黒沢仁美代表は「増加に転じたのは、(文部科学省の)放射線量モニタリングマップで比較的線量が高いとされた地域。原発事故との関連は不明だが、否定はできない」としている。(略)
「原発の危険から子どもを守る北陸医師の会」の吉田均医師は「線量の高い地区で、心電図異常が多いという傾向はある」としている。
取手・阿見で疾病割合増加傾向 県内子どもの学校検診 常陽新聞
この結果について小児科医で「原発の危険から子どもを守る北陸医師の会」の吉田均医師(石川県)は「症例数が少ないので(茨城県全体で)本当に増えているのか、あるいは増減しているのか、たまたまの偶然なのか正確には判定できない」としながら「判定できないからといって『放射線の影響はない』と断定することもできない。慎重な対応が求められる」としている。さらに放射線量が高い市町村で心電図異常などが増加傾向にあることについて「放射線の影響である可能性を否定できないので、十分な注意が必要と思われる」としている。(略)
調査結果について黒沢代表は「事故後の12年に異常などが増え、13年以降は落ち着いてきたように見えるのはうれしいが、原因は分からないにしても今後も推移を見守っていく必要がある。子どもの検診体制を充実してほしい」と話している。
【茨城新聞】市民団体が報告会 取手 心臓検診データ保存を
生活クラブ生活協同組合まち取手(根岸裕美子代表)はこのほど、取手市東の市福祉会館で、県内の小中学校における心臓検診の調査結果の報告会「忘れちゃいけない3・11」を行った。
調査は同クラブなどで構成する「子どもの健康を守る市民ネットワー
とりで生活者ネットワークでは、「全体として落ち着いてきています。」との認識。
子どもネット
平成26年度学校検診心臓病検査市民調査、
子どもの健康を守る市民ネットワークにてまとめができました。
全体として落ち着いてきています。
今後も、市民による開示請求とデータの保管を継続していきます。
斗ヶ沢秀俊: 「わからない」に逃げ込むな〜低線量被曝の報道を問う〜
「わからない」とともにメディアが使いがちなのは「予防原則」だ。「低線量被曝の影響は十分にはわからないのだから、予防原則に則って、影響がありうると考えて対応する必要がある」といった主張をしばしば見る。予防原則は地球温暖化防止の国際交渉などで取り入れられている。しかし、低線量被曝にこれを適用することは適切ではない。予防原則は「深刻な、あるいは不可逆的な被害の恐れがある場合においては、完全な科学的確実性の欠如が、費用対効果の大きな対策を延期する理由に使われてはならない」(環境と開発に関するリオ宣言)と定義される。
とりで生活者ネットワークニュース No.15 2015年7月7日発行
http://torinet1015.sakura.ne.jp/netnews15%20kakutei.pdf
「多発」「数十倍でオーダーが多い」「スクリーニング効果が否定された」「過剰診断ではない」「地域差がある」
その情報の出典や妥当性をちゃんと説明して欲しいところです。紙面に載せる以上、理解した上で書かれているのでしょうから。
まぁ、ネット検索をすればおおよその予測はつきますし、それらへの反論のほうが私には納得しやすいですけど。
単なる民間団体ならともかく、議員を出している団体の機関紙ですからね。発言には責任を持たないと。
なお、当ブログで児童の心臓疾患について取り上げた記事は、こちらになります。
2012-12-28 取手市の小中学生の心臓疾患が増加
2013-01-25 児童の心臓疾患の話 (取手市編)
2013-01-26 児童の心臓疾患の話 (三郷市編)
2013-01-28 児童の心臓疾患の話 (阿見町編)
2013-02-13 児童の心臓疾患の話 (8都県+α編)
2013-09-27 守谷市議会で心臓検診の質問があったんだけど
2013-10-02 児童の心臓疾患の話 (取手市、阿見町、北茨城市)、児童の心臓疾患の話 (取手市、守谷市、つくばみらい市、常総市)、児童の心臓疾患の話 (水戸市、ひたちなか市、日立市、つくば市、土浦市)
2013-12-13 児童の心臓疾患の話 (今年の結果)(全国、福島県、茨城県、取手市)
2014-04-04 守谷市議会。放射線関連の一般質問
2014-09-26 児童の心臓疾患の話 2013年度の学校検診
福島県の甲状腺検査について朝日新聞の解説
心臓疾患とは無関係ですが、たまたま有ったので。
内容は普通に言われていることをまとめただけだと思いますが、反原発的な立場の朝日新聞にこのような記事が載ったことが大きいですね。
(Re:お答えします)がんと被曝、影響どう判断?:朝日新聞デジタル
東京電力福島第一原発事故に伴う被曝(ひばく)の健康影響をみる福島県の甲状腺検査で、事故当時18歳以下だった計103人が甲状腺がんと診断されました。事故の影響は考えにくいとのことですが、なぜそう言えるのでしょうか。(広島県 女性)
北茨城市 甲状腺調査
心臓病とは無関係ですが、東電原発事故関連ということで記録。
茨城)北茨城市、甲状腺がん3人 昨年度18歳以下検査 - ニュース - アピタル(医療・健康)
ちなみに、常総市の甲状腺調査は、前年度分まで(平成27年3月)までしか記載が有りません。検診を受けた人が居ないのかウェブの更新が遅れているのか。
甲状腺エコー検査の結果について/常総市ホームページ
福島の子供の甲状腺がん発症率は20〜50倍 ?
つい先日、甲状腺がんの発病率が高いという論文が出たそうです。
当然、それに対する指摘も数多くあります。
「福島の子供の甲状腺がん発症率は20〜50倍」 津田敏秀氏ら論文で指摘
日刊ゲンダイ|福島の甲状腺がん発生率50倍…岡山大・津田教授が警告会見
福島第1原発事故から4年 甲状腺がんが多発
津田敏秀氏が福島県の甲状腺検査データを解析、「甲状腺がんが多発、原因は被ばく」と主張する論文を発表 - Togetterまとめ
福島で甲状腺がんが増えている、という論文の考察
危機を訴える人は純粋な“善意”なのでしょうが、良い結果に結びつくかどうかは別問題。
「心配して何も起きなかったら、良かったじゃない」では済まされないんですよ。
関東・東北豪雨:「外国人が物色」「不審者いる」 茨城・常総被災地、デマ拡散 偏見乗り越える動きも - 毎日新聞