放射性物質のニュースをいくつか

もう、放射性物質について関心のある人はほとんど居ないんじゃないかとも思えるのですが、いくつかの動きが続けてあったので、記録しておきます。

茨城県の海産物、龍ケ崎市のタケノコの出荷制限が解除されました。

ただし一部の海産物は出荷の自粛が続いていますし、淡水魚には出荷制限となっている魚種があります。

たけのこの出荷制限・出荷自粛解除について/茨城県


一部の自治体でタケノコの出荷制限や出荷の自粛が続いているのは、生産者が居なかったり廃業したりしたため、検査そのものができないためで、放射性物質が規制値を超えているからでは無いと想像していますが、調べてはいません。


放射性物質の指定廃棄物

指定廃棄物の処分場について、県内に一つの集中保管ではなく、分散保管とすることが正式に決まりそうです。

【茨城新聞】指定廃棄物保管市町 来月中旬までに会議 環境副大臣
環境省井上信治副大臣は14日の定例会見で、東京電力福島第1原発事故で出た指定廃棄物の本県の処分場問題について、指定廃棄物を保管する14市町長会議を2月中旬までに開催した上で、指定解除の手続きについても同会議までに示す方針を明らかにし…


常総市関連ですと、守谷市の焼却場に保管されている焼却灰が該当します。
保管施設はプールや風呂など一般人の立ち入る場所とは離れているとはいえ、永続的な受け入れとなると、反対する人も居るかもしませんね。
また、指定廃棄物の保管場を受け入れた自治体には補助金(?)がでることになっていましたから、筋論からいえば、守谷市の収入になって守谷市民のために使われることになるんでしょう。


それと、茨城県の指定廃棄物はほぼ全て公共施設(焼却場や下水処理場)にあるので良いのですが、他の県では民間の農地などに保管されているものも多量にあったはずです。
たまたま空き地を提供しただけだったり、正直に申告した結果、指定廃棄物が置かれてしまった地主さんも居るはずですから、そこに置きっぱなしにすることはできないでしょう。
自治体の内部で処分場を検討するということになるのかと思いますが、それって、県単位の問題だったことを、市町村単位の問題にしただけでのように感じます。どこまで国などは面倒をみるつもりなのだろう。


宮城県原発があったわけでもなく、東京電力の管轄でもありません。なんの恩恵もないのに放射性物質だけが来てしまったわけですから、東京都など、東電の管轄地域で受け入れたらいいんじゃないでしょうかね。
<最終処分場>断念に一時保管地の住民困惑 | 河北新報オンラインニュース
<最終処分場>宮城の首長「保管の悩み続く」 | 河北新報オンラインニュース


なお、指定廃棄物についてのニュースは、以下の記事に継続して集めていました。(もちろん、すべてのニュースではありません)
東電原発事故に関連して、茨城県内で最後まで残る大きな問題は指定廃棄物だろうと思い、強い関心を持って集めていました。
5年もかかるとは予想外でしたが、やっと区切りが付きそうで良かったです。
http://d.hatena.ne.jp/hyakubann/20131226#p1


ついでなので、常総市守谷市の指定廃棄物について書いた記事を掘り起こしておきます。
2015-02-13 前の記事の続き(指定廃棄物の最終処分場)



追記 2016年2月6日
2月5日の新聞記事


追記 平成29年4月

県内指定廃棄物 83%が基準下回る
環境省は31日、東京電力福島第1原発事故で発生した県内の指定廃棄物など計3643トンの放射性物質濃度を再測定した結果、全体の83%の3031トンが国の指定基準(1キログラム当たり8千ベクレル)を下回ったと発表した。時間の経過に伴い自然減衰したとみられる。ただ、指定解除後の処分先確保のめどは立っておらず、当面は現状の分散保管が続きそうだ。

常総市の給食の放射性物質の検査

1月8日の茨城県産のしいたけから、セシウム134 が、13.1 Bq/kg 検出されました。
(食材は廃棄され、給食には使用されなかったはずです)


これで、常総市の給食の放射性物質の検査で検出されたのは、8件目になるはずです。
検出されているものは、全てセシウムをためやすい(検出されることが多い)食材ですね。
平成23年11月16日のユズ
平成24年4月24日のタケノコ
平成24年4月4日、12月14日、平成25年2月25日のレンコン
(平成24年5月25日のキャベツは限界値を下げた再測定で不検出)
平成26年4月23日のタケノコ
平成26年12月3日のレンコン
平成28年1月8日のシイタケから 13.1 Bq/kg
常総市ホームページ - 給食食材の測定結果

これまで何件の検査をしたのか知りませんが、さすがに、もう検査は不要じゃないでしょうかね。
毎回毎回、数キロの食材が検査のために廃棄されているわけで、累計ではどれだけの量になるのか。
職員さんの手間(人件費)も無視できる金額では無いでしょう。
職員の技術力の維持をできる程度の検査件数に減らしても良いのではないかと思います。、


ちなみに、給食以外の持ち込みの食材などの検査も常総市では行っていますが、去年の7月が最終の更新日になっています。
持ち込まれるものがないのか、他の理由があるのかは知りません。
放射性物質測定結果の公表について/常総市ホームページ


追記(2016年1月30日)
1月20日に、れんこんから、10.9Bq/kg 検出されていました。
これで9件目になるはずです。

追記(2016年2月)
2月12日に、れんこんから、11.4Bq/kg 検出されていました。
これで10件目になるはずです。

追記(2016年7月)
7月8日に、しいたけ から セシウム134 8.09 Bq/kg セシウム137 9.99 Bq/kg 合計18.1Bq/kg 検出されていました。
これで、11件目になるはずです。

追記(2016年12月)
12月16日に、れんこんから、放射性セシウム 137が、13.6 Bq/kg 検出されていました。
これで、12件目になるはずです。

追記(2019年2月)
2017年12月14日に、れんこんから、放射性セシウム 137が、13.9 Bq/kg 検出されていました。

常総市甲状腺検査の結果

去年の4月に更新されたきりで、2015年度のデータは見当たりません。
検査を申請した人が居ないのか、ウェブサイトの更新が行われていないだけなのかは、不明です。
甲状腺検査を強く求めていた方々は、常総市にデータの公表を要望したりはしないのかな? もう関心がない?)
常総市ホームページ - 健やかに ひとを育み みどり豊かな まちづくり


東電原発事故と甲状腺がんについての話は、各人の信じるところを主張しているだけで、統計などからの実質的な議論はできなくなってしまった感じがしています。
私は、東電原発事故による甲状腺がんは現時点では確認されていないし、将来的にも統計的に検出可能なほどには発生しないんじゃないかなと理解しています。(発生しないとまでは言い切りませんし、あくまでも個人的な印象の話です)


福島県での自殺者などの調査で、PTSD などの心の問題を抱えている人は、放射線健康被害への関心も高いという関連性も指摘されました。
「ニコニコ笑っている人に放射能はきません」というのは、健康的に生きるという面では正しかったんじゃないでしょうか。(問題発言ですし、この発言によって放射線の問題をより複雑化させてしまったのですから、真意はともかく言うべきではありませんでしたが)
必要以上に気にするよりも、普通の健康診断や、歯の治療をちゃんと行っていたほうが、健康に生きられそうですね。


追記(2016年1月30日。31日訂正)
2015年度の甲状腺エコー検査の結果が、先日、公開されました。
が、今、見たら、ページがありませんになっています。
記憶ではC判定(直ちに二次検査を要するもの)の結果が1名いました。月ごとの集計ですから、単純に公開していると該当者を特定できる可能性があるため、非公開にしたのではないかと想像します。正しい判断でしょう。
C判定(直ちに二次検査を要するもの)との結果が1名となっています。
甲状腺エコー検査の結果について/常総市ホームページ
福島県での甲状腺検査でもC判定となったのは1名だけのようですから、東電原発事故との関連を考えるのは無理だと私は思います。でも、5年目になり記憶が薄れてきた時に結果を見せられたら過敏な反応をしてしまうひとも出てくるのでしょうね。
先日の取手市議選挙でも、「 福島県では、 事故前 (H20年) は0だった子どもの甲状腺がんが急増し、 事故後の県民調査によると、H27年11月までに151人もの子どもにたちに甲状腺がんが発生しています」と書いている候補者が当選しています。(池田慈(めぐみ)まちづくり通信No.2)(事実ではありますが、その背景を全く書かないのは大問題)
この溝は、永遠に埋まらないんじゃないかな。