常総市は、緊急速報メール(エリアメール)は送らなかったけど、ツイッターでは発信してた

9月23日頃に書いていたのに公開しなかった下書きがありました。自分で読み返しても不十分だっり論旨も不明ですが、せっかく書いたので公開してしまいます。

その前に今回の水害について思っていることを少し。
今回の水害が合併前であれば災害への対応が違っていたのではないでしょうか。
合併前なら、水海道市の職員は最初に越水した地域への対応はしなかったわけで、その後の決壊への備えや、決壊後の対応も十分にできたように感じます。(図書館なんか職員さんいれば本が水没する前に対処することが可能だったのでは?)
10年前のことですから、今更、言ってもしょうがないことですが。


あと、今回の水害はハザードマップでの想定と恐ろしいほど合致しています。つまり想定されていた災害だったということです。(追記 この件については誤解であるとの主張があり、もっともな話だと思えましたのでリンクしておきます。ハザードマップをめぐる誤解 - naturalright.org
東電原発事故(東日本大震災)のあと、「想定外を作らない」ことが防災の基本のように言われましたが、想定していても災害は発生するし、市町村や住民は十分な備えをできないことが明らかになってしまったわけです。
国や自衛隊などの救援組織は連携するなどの改善がすすんでいるようですが、いったい、どうすればいいんでしょうねぇ。


救援ヘリコプターの連携システム
鬼怒川堤防決壊でヘリ38機が展開!そのスムーズな救助活動を支えた新システム「D-NET」とは!? - Togetterまとめ
水害について各種資料を元にブログ記事を書かれているサイトを、たまたま見つけたのでリンクしておきます。
NATURALRIGHT - naturalright.org



そういえば、常総市のウェブサイトのトップページはいつになったら平常運用に戻すんでしょう?(追記 2月になって平常運用に戻したようです)
せっかく「皆様からのご支援に心よりお礼申し上げます/常総市ホームページ」というページを作ったのに、見てもらえないよ。
現状の簡易なページは、アクセス数の急増に対処するために作ったもののはずです。
通常に戻すと「職員は災害を忘れようとしているのか!!」みたいに言われてしまうので変えられないんでしょう。
こういうのも災害への対応の難しいところです。
将来、地震や噴火を予知し避難指示などを出すことができるようになったとしても、解除するのは、予知する以上に難しい判断が求められます。それを考えたら簡単に避難などを呼びかける訳にはいかないでしょう。


−−−−−−−− 以下、9月に書いていたもの −−−−−−−−

避難指示メール送らず 常総市「手回らなかった」 鬼怒川決壊:朝日新聞デジタル
鬼怒川の堤防が決壊して大規模な洪水が発生した茨城県常総市で、市民らに避難指示や避難勧告を出したことを知らせる「緊急速報メール」を市が送っていなかったことが、市への取材でわかった。担当課長は「手が回らなかった防災無線が聞こえない人もいるので、メールを流すべきだった」と話した。


緊急速報メール(携帯会社のエリアメール)を送らなかったのは批難されても仕方のないミスでした。
ましてや、ツイッターや、常総市メール配信サービス(インターネットメール)では、避難指示を送っていますから、「手が回らなかった」ということはありえないでしょう。
常総市のウェブサイトにも、ほぼリアルタイムで避難指示を載せていたようです)
“手が回らない”というのは、送る必要が有ることは認識していたけれど、できなかったという意味です。
緊急速報メールはエリア内のすべての携帯電話に送るので、ツイッターやメール配信サービスの利用者数にくらべてはるかに多く、最優先に送信すべきでした。


想像するに、システムを十分に理解していた担当者は別の部署の応援に行ってしまったため、残った職員さんがシステムの設定を間違えてしまったか、緊急速報メール(エリアメール)の存在を忘れていたのではないかと思います。


マスコミ対応としては、細々と説明するより「手が回らなかった」と言ってしまったほうが簡潔で、記者も納得するでしょうから、正しい対応だったと思います。(どうせ、2日もすれば細かい点は忘れられる)
しかし、今後、国から報告を求められたり、研究機関などの調査のときには、何が起きていたのか正直に話をして欲しいと思います。


ただし、緊急速報メール(エリアメール)を送っていたら被害を低減できたかどうかについては、少々、疑問があります。
緊急速報メールが届いたことによって避難を始める人が多くいたとは思えません。
今後の調査、報告を待ちたいです。
(市の対応が不十分になったのは、職員数を削減し続けたことや、民間への委託(指定管理者制度)なども原因のような気がしています)


参考まで、ツイッターのフォロワー数 水害前は1000人弱でした。


メール配信サービスの利用者数はわかりませんが、1000人を超えているとは思えません。
常総市メール配信サービス/常総市ホームページ


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以下に、当日(9月10日)の常総市ツイッターによる避難指示などを転記しておきます。
生々しいので、精神的な負担になる方もいらっしゃると思います。ご注意ください。
(そういえば、防災行政無線のチャイムや声色は変更を検討したほうがいいかも。音は記憶に残るよ。通常は女性だったのに水害後に男性にしているのは、そのへんの配慮なのだろうか)











Twilog - Twitterのつぶやきをブログ形式で保存より
(なお、メール配信サービスの送信内容もツイッターと同様だったようです)


避難指示が発令されました(午後1時08分更新)/常総市ホームページ


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上記とは無関係ですが、書くところがないのでここに。

鬼怒川洪水、水位は過去最高…常総で8・06m : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
国土交通省関東地方整備局は、関東・東北豪雨で起きた鬼怒川の洪水について、茨城県常総市などでの洪水被害や同局の対応などをまとめた報告をホームページ上で公表した。(略)
 さらに、報告は決壊の約11時間前の9月10日午前2時過ぎ、同局が常総市に対し、氾濫が起きた場合に浸水がどう広がるかを示したシミュレーション(想定実験)情報を提供していたことも明らかにした。
情報は、今回の決壊場所から約4キロ・メートル上流で決壊が起きたと想定。決壊から約12時間後に水が市役所付近にまで南下すると予測しており、市はこうした提供情報を住民避難などにうまく生かせなかった可能性がある。
2015年10月18日 13時52分
(読売新聞のウェブサイトの記事は消えてしまいましたが、キャッシュがこちらにありました。http://web.archive.org/web/20151019215436/http://www.yomiuri.co.jp/national/20151018-OYT1T50032.html)

東電原発事故のときに、SPEEDI放射性物質の拡散情報を活用しなかったという批判が(正当かどうかはともかく)ありましたが、常総市もやらかしてしまった可能性がありますね。
決壊地点から4キロ上流というと越水した若宮戸の近辺ですし、10日の午前2時というと氾濫の恐れありとして避難指示のでた時間帯ですね。
平成27年9月関東・東北豪雨(風水害対応) | 防災 | 国土交通省 関東地方整備局
災害発生後の関東地方整備局の取り組み 平成27年10月8日 http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000633540.pdf