常総市議会での定数削減の議案 その他

もう古い話になってしまいましたが、常総市議会での定数削減に関する話の記録です。
私は定数の削減については一つ前の記事に書いたように特に意見はありませんが、今回、否決されたのは良かったです。
請願を出した市民の方々は立派な行動をされたと思いますが、議案に賛成した議員さんには、次の選挙では票は入れません。


今回の定数削減の条例案の論点としては、以下の様なものがあります。
・議員の定数は22人が良いのか。20人が良いのか。
・定数を変えるとしても、請願からたった1ヶ月後、さらに投票日の1ヶ月前に決めることは妥当か。
・住民は定数削減を望んでいるのか。
・市の財政は十分か(議員2人で4年間なら五千万円?)


一番目の議員定数は何人が望ましいか、四番目の財政との関連については、唯一の正解はありませんから、どちらでも良いです。
しかし、二番目の請願から1ヶ月で決めようとするのは、あまりにも性急で必要な議論がされているとは思えません。録画をみると3回の議会運営委員会が開かれているから十分だという発言がありましたが、委員会は、議事録も結論の理由書(?)も、能動的に請求しなければ、一般住民は読めません。つまり、どんな理由で定数を削減したのか、将来的にも知ることが出来ないわけです。それは駄目でしょう。
投票日の1ヶ月前に決めるというのも、次の選挙に出る(出ない)ことを予定していた人にとっては、たまらない話です。
三番目の住民の意思についても、議会録画を見ていると、千人以上の署名が集まったことや、署名をお願いしたら殆どの人(9割)の人が賛同してくれたことをもって住民の意思としているようですが、さすがにそれは、一部の住民の意思でしかありません。(少なくとも、私には誰からも聞かれていないし、意見を述べる正規の場も与えられませんでした)
そもそも、多くの住民は議員定数の削減が議論されていることを知らなかったのでは? ネット以外で知る機会は有りましたか?
せめて、議会で定数削減の議論がなされていることを議会の広報誌に載せて、意見を持つ住民に発言する機会を作る必要があるはずです。住民を代表する議員の数を決めるのですよ?



現状の19人(欠員3人)でも議会運営に支障は起きていないというのも、問題にならない程度の仕事しかやらないから問題になってないだけなのでは? そこに合わせちゃだめでしょう。

病室の窓から眺める“現実” (5ページ目):日経ビジネスオンライン

「実際に80キロで流れてて、それで大きな問題が無いんだから、制限速度の方を50キロから80キロに改めるのがスジだと思わないか?」

 みたいな調子で、「軍」である現実の方に、憲法の条文を合わせることが、果たして正しいのかどうかについては、きちんと手順を踏んだ議論を積み上げていかないといけない。(略)
その議論の行方次第では、「憲法が掲げている理念と、現行の政権が打ち出している施策にズレがあるケースでは、現実の方を憲法の理想に引き戻さなければならない」という解決だってあり得る。

次回の選挙で候補者が出ず、無投票になりそうというのも、本会議の時点(16日)では、“街の噂”にすぎません。見込みを根拠に条令を改正するというのは無茶苦茶です。
それに、無投票になるから定数を削減するというのは、箱に入らないからケーキを小さく切ってしまえというようなもので、本末転倒です。小林剛議員の発言にありますが、前回の定数削減を決めた際に22人が望ましいという結論が出たから、現在22人なわけです。無投票になることをもって、定数22人を否定するのは無理があります。
無投票が良くないというのであれば、新しい候補者を探して擁立するのが普通の対応でしょう。それでも無投票が何回か続くようであれば定数削減もやむを得ませんが、今のところ無投票にはなっていません。


また、無投票になるのは、議会(議員)の責任ではなく、住民の民度の問題です。議会(議員)を批判するのは見当違いです。
3人も議員が欠けているのですから、無投票になる可能性は予測できたはず。選挙の直前になって、定数削減という話になるのは、議員にしたくない新人の立候補予定者がいるためという、政治的な理由を想像してしまうのですが、どうなのでしょうね。



なお、今回の議会では、議員全員協議会を正規のものとし市民の傍聴を可能とする、議会規則の改正も可決していました(録画を見て知った)。
個人的には、議員定数よりも、この件のほうが重大な議案でした。

2015.03.16:常総市平成27年2月定例会議(第22回会議) 本文
◯議会運営委員長(中村安雄君) 議案第117号常総市議会会議規則の一部を改正する規則について、提案理由の説明を申し上げます。
 本案は、本会議における表決システムの導入に伴ってボタン式投票に関する規定を新たに設けるとともに、議員全員協議会を地方自治法の規定に基づく公式の会議に位置づける改正を行うものとするものです。
 表決システムにつきましては、平成26年11月定例会議から導入して運用しておりますが、手元の押しボタンによって賛成、反対等の表決を行うもので、投票による方式の一つであることから、会議規則において押しボタン式投票として必要な規定を追加することといたしました。また、議員全員協議会につきましては、議員間の協議、執行部からの説明等を行うため非公式の会議として開催してまいりましたが、地方自治法の規定では、会議規則の定めるところにより議案の審議、または議会の運営に関して協議、または調整を行うための場を設けることができるとされております。このため、議員全員協議会を協議等の場として会議規則に盛り込むことによって、地方自治法に基づく公式の会議とした上で、これを広く市民の皆様に傍聴していただき、開かれた議会をより一層推進いたします。
 なお、これらの規定の追加にあわせまして、条文の全般を見直し、用字の整合を図る改正を行うことといたします。よって、この条例規則を提出するものであります。
 以上、提案理由とさせていただきます。

常総市議会会議規則 昭和42年3月22日 規則第5号 (平成27年5月1日施行)

(協議又は調整を行うための場)
第166条 法第100条第12項の規定により議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場(以下「協議等の場」という。)を別表のとおり設ける。


別表(第166条関係)
名称
目的
構成員
招集権者


議員全員協議会
議員間の協議並びに執行機関からの説明及び報告
議長,副議長及び議員
議長

常総市議会議員全員協議会規程 平成27年3月16日 議会規程第2号

(公開)
第6条 会議は,公開する。ただし,議長は,必要があると認めるときは,会議に諮って非公開とすることができる。
(傍聴)
第7条 会議の傍聴の取扱いは,常総市議会傍聴規則(昭和42年水海道市議会規則第8号)の例による。
(記録)
第8条 議長は,職員をして会議の議事,出席議員の氏名その他必要な事項を記載した記録を作成させるものとする。




たまたま見かけた、定数削減に懐疑的なブログ。

充て職 市民オンブズマンつくばみらい改め 劣化と失調/ウェブリブログ

常総市民の間には、議員定数削減の意見もあるようだが、議員を少なくするとそれでなくても兼務兼任の多い各種審議会や協議会、一部事務組合議員など、小数の議員が年中会議に出ていなければならなくなってまともな事業・政策・予算執行などを討議できなくなるのではないだろうか?  議席が削減されても強固な地盤を持つ古手の議員は上位で当選し、改革をめざす新人が当選し難い選挙にしかならないという弊害の方も考えられる。

◆とんでもない話/市自治会連合会が「議会は3月に自主解散を」「定数削減を」と要望・準備中(議長の弁) - てらまち・ねっと

≪突然の定数削減案≫   不意打ちで定数削減する理由は ???
 同時に、「定数1名の削減」との意見らしい。議員定数の多い、少ないは、常に議論が分かれます。「なぜ1名減か」「なぜ3名減ではいけないのか」「なぜ、『報酬を削減し定数増』ではいけないのか」など、全く議論されていません。これも、定数が減ればなお、現職有利の構造ができるだけ。しかも、被選挙権の侵害も明らか。

≪定数削減の場合は 周知期間が不可欠≫  ≪究極の現職有利策≫
 定数削減は周知期間が必要。理由は、広く知らせ、立候補者の準備期間を確保するなど。1年以上前の決定が通常で、遅くも半年程度は必要。それを「1か月で選挙」とは、新人の準備期間をなくして、現職の選挙を有利にするための究極の方法。





常総市議選は21陣営 ほか1人が予定:茨城新聞

「議員定数削減の請願」採択されました - 常総ルネサンスへの道(委員会で採択されたという記事)

議員定数削減の請願は否決されました - 常総ルネサンスへの道(本会議で否決されたという記事)

【茨城新聞】常総市議選 事前審査に20陣営

20陣営が出席した。内訳は現職16人、新人4人。このほか、現職1人が立候補を予定し、新人1人が…


那珂市議会では、「定数減」と「報酬増」を決めたうですが、検討委員会で一年近く協議したうえでの採決でした。

那珂市議会定数 18に削減案可決 : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 同市議会の特別委員会が、近隣自治体の水準に合わせるため、昨年4月から検討を進めてきた。政務活動費は月額2万円から1万円に減額される。20日の本会議には全議員22人が出席、議長を除き、15人が賛成、反対は6人だった。

那珂市議会 定数減、報酬増案を可決:茨城新聞


常総市でも、前回の議員定数削減の特別委員会は、半年ほど時間をかけて調査し、選挙の半年前には条令を改正しています。

2010.12.14:常総市:平成22年第4回定例会(第4号) 本文
調査の経過、平成22年6月15日に第1回特別委員会を開催し、正副委員長の互選を行い、その後、同年7月26日に第2回委員会を開催し、県内各市の議員定数等についての調査を行い、同年9月8日に第3回委員会を開催し、議員報酬、費用弁償等の支給方法等について調査を行い、同年11月8日に第4回委員会を開催し、無記名アンケートの結果についてと近隣市議会の議員定数等削減状況についての調査を行い、同年11月30日に第5回委員会を開催し、議員報酬の支給方法についてと議員定数等調査特別委員会の報告取りまとめについての協議を行い、同年12月8日に第6回委員会を開催し、議員定数等調査特別委員会報告書案について取りまとめを行いました。

議会録画より

以下は、自分が見ていて気になった点をメモしたものです。録画を文字起こししたものでも、要約したものでもありません。そもそも全部は見ていません。実際の発言内容は、元の録画でご確認ください。
常総市議会インターネット議会中継−会議名でさがす 3月16日(月曜日)

定数削減を求める請願

市議会議事録より
請願第8号
            市議会議員の定数削減に関する請願書

 現在の常総市議員定数は22名で、前回(平成23年4月)の立候補者は24名でした。その後、鞍替え、自己都合等による辞職があり、現在の議会は定数の3名減となる19名で運営されておりますが、行政及び市民へ何ら支障もなく議会運営が行われているのが現実です。
 この間、国及び地方においても少子高齢化・人口の減少等により税収が大幅に減少し、財政の健全化等が急務であり、常総市も同様です。
 このような実情を踏まえて、多くの県議会や市町村議会でも大胆な財政再建は勿論のこと、議員定数をも聖域とせず議員の定数削減を断行しております。
 このような中、常総市より人口の多い守谷市でも議員定数は20名となっております。
 以上のような背景と現状に鑑み、今年の4月に行われる常総市議会議員選挙に向けて早急に議員定数を22名から20名(2名削減)に条例改正を実現されますよう、請願書を提出する。

日程第7 ○請願書等審議 1時間42分
1時間51分
第8号 議員定数削減に関する請願書
議会運営委員長 賛成多数で採択すべきと決定
質疑 なし
討論
堀越道男議員 反対の立場。議会は行政ではない。行政の監視役。民意の代表。議員の数を減らすということは民意を減らすということ。   財政健全化のための定数削減という理由については、議会費は1.1%。常総市の財政は危機的な状況ではない。
2時間01分
金子てるひさ議員 賛成の立場。1 地方議員は多様な意見の反映は必要とされていない。多様な意見は行政が行うべきもの 2 地方創成に伴う議会の定数の維持との直接的な関係は無い 3 行政のチェック機能の低下については、他の自治体での事例では無い。過去、常総市でも定数を減らしているが問題はない 4 来月の選挙が無投票になる。民主主義がそこなわれる。個人的には定数は18が望ましい。
中村博美議員 反対の立場。十分な審議期間がなかった審議不足。現状で19人で運営され、市民には見えないが議員の負担は増えている。守谷市は面積が常総市の半分であり、単純比較はできない。地元に議員がいてほしいという市民の声が有る。道路のための議員ではないが、道路ができなくては議員ではない。地元を知らなくてはいけない。今回の選挙は、無投票にはならないのでは。
茂田信三議員 反対の立場。最初、定数を増やす請願かと思った。毎回毎回、選挙のたびに定数を減らしている。国会議員は減らしていない。県会議員は減らしていない。22人というのは、十分に減らしている。一度減らした定数を増やすのは大変。22人が今以上に働けば良い。19人で問題が起きていないことを証明することは出来るのか?
2時間20分
遠藤章江議員 賛成の立場。地元の声を吸い上げられなくなるというのは、もっともだと思います。合併しても石下と水海道の分断が解消されない。それは議員にそういう意識があるから。議員は全体の奉仕者なのだから、議員を減らしても、意識をもてば問題ない
倉持守議員 反対の立場。請願書は近隣市と比較している。審議が不十分だ。財政についても今期の税収は増収である。報酬についても審議すべき。論議が不十分。
2時間26分
吉原光夫議員 賛成の立場。現在19人で何ら支障がない。2名削減で五千万円の削減になる。
石川栄子議員 反対の立場。民主主義のルーツはローマの円形劇場。議員は多い方がいい。女性が4人。多様な意見を反映するには多いほうが良い。
2時間31分
小林剛議員 反対の立場。今回で3回目の削減。直近は4年前。委員会を設置して議論に議論を重ねて22人と決定した。根拠があって22人としたはず。先輩議員のその決定を尊重したい。近隣市がどのような状況だったからというのは関係ない。近隣の真似ばかりしているから常総市はオンリーワンになれない。
2時間33分
採決
6対11 棄権1 不採択

議員定数を定める条令の改正

日程第11 ○議案第120号 常総市議会議員の定数を定める条例の一部を改正する条例について
2時間45分40秒
提案理由 請願が提出されたことを受け、近隣市の状況、財政状況をふまえ、次の通常選挙に向け、定数を削減すべきと見て、定数を20人にする条例案を提出するもの
質疑2時間48分
石川栄子議員 請願が否決されたのだから、この条令の提出は必要ないのでは?
議長 請願の採決と条例案の採決は別だから、これはこれで採決する必要がある。
委員会付託を省略 異議なし
討論 2時間50分
遠藤章江議員 賛成の立場。市民の請願があり、委員会で賛成多数で採択された。特別委員会を設けるべきであることは事実だが、3回の議会運営委員会を傍聴して、議論はすでに尽くされたと考えている。市議会選挙が無投票であることが街中で広まった。無投票であるなら、定数削減でも良いのではないかというのが市民感情。全国でも無投票が増えている。17.2%。そのため議会が自ら定数削減を提案している自治体もある。昔の常総市議会には農業、商業を代表するような議員が多かったが、今は少ない。それは農商業の衰退を示している。無投票になるということは、常総市そのものの衰退を示している。財政は問題ないという話についても、市債は減っていないので、財政状況は良くなっていないと考えている。市民から選挙の直前に定数削減を突きつけられたということは、議員に問題がある。これまで議員報酬、政務活動費、定数削減について取り上げたことがない。それでは市民は納得しない。これは市民から議員への評価ということであろう。
動議
水野昇議員 3時間00分 わからない点があるので、動議ということにしました。請願が否決されたのに条令を採択する理由は? 説明を願いたい。
議長 事務局から説明する
議会事務局 似たような議案があった場合、軽いものから採決することになっている。事前に全国市議会議長会に意見を求め、確認を取っている。
水野昇議員 省略できるのかと思っていた。わからんなくなっちゃうでしょ?
3時間04分
討論 なし
採決 5対11 賛成少数 否決

市民の森に関する条令

日程第3 ○議案第102号 常総市市民の森に関する条例について

32分30秒
建設経済委員会では、否決。
質疑
吉原光夫議員
賛成の立場。委員会の結論の理由を詳細に求める

建設経済委員長 答弁
必要箇所が複数になってから、条例化すればよい。時期尚早。

吉原光夫議員 勉強不足では? 環境審議会では全会一致で採択している。

建設経済委員長 答弁
条例を作るのが先か、市民から申請が有るのが先か。 委員会では、申請があってから条例を作るべきと考えた。

討論
岡野一男議員 反対の立場で討論。市民からの申請をもとにするのでは、市としての意思が感じられない。税金を投入するのであれば、市の構想を示すべき。

堀越輝子議員 47分30秒
賛成の立場で討論。当市では自然保護活動は皆無に等しい。自然保護活動をけん引する役目がある。地球温暖化防止という観点。

採決 54分30秒
12対5 で原案どおり可決

市議会の会議規則の改正

日程第8 ○議案第117号 常総市議会会議規則の一部を改正する規則について
2時間35分
提案理由の説明 議会運営委員長。
・採決システムを盛り込む
・全員協議会を正規のものとし、市民への傍聴を可能とする
・以上をもりこむため、規則全体を見直す。

質疑 なし
委員会付託を省略 異議なし
討論 なし
採決 17対0 で全員賛成と認め可決
(吉原光夫議員 不在)

議員報酬に関する条令の改正

日程第9 ○議案第118号 常総市議会議員の議員報酬等に関する条例の一部を改正する条例について
2時間39分
提案理由 全員協議会を公式な会議としたことによる改正。
質疑 なし
委員会付託を省略 異議なし
討論 なし
採決 全員賛成で可決

政務活動費の公布に関する条令

日程第10 ○議案第119号 常総市議会における政務活動費の交付に関する条例の一部を改正する条例について
2時間42分30秒
提案理由 交付対象について、会派のみではなく、議員へも交付できるようにするもの。条文の全般を改正する。
質疑 なし
委員会付託を省略 異議なし
討論 なし
採決 全員賛成で可決

監査委員の任命

日程第12 ○議案第121号 常総市監査委員の選任につき同意を求めることについて
提案理由 北村栄子氏が任期になる。後任として、あらいたかのり氏を選任したい。
質疑 なし
委員会付託を省略 異議なし
討論 なし
採決 全員賛成で同意