市議会の話。 (議員定数を検討する委員会は、どこ?)

常総市議会では今、5月の定例議会を開催中で明日(10日)最終日を迎えますが、2月の定例会に関連して思っていたことを、いまごろになって書いみます。


2月の議会では議員定数の削減が大きな議案となりました。
議員定数の削減について検索していたところ、ある講演会を書き起こした文書がありました。(リンクなどは文末に示しました)。
講師は、全国市議会議長会調査広報部参事という肩書きの方ですから発言内容の真実性は高いと思います。


その講演の中で、議員定数の削減を委員会で検討する場合、検討する委員会は、議会運営委員会でよいのか、特別委員会を設置すべきなのか、という話をされています。
結論としては「総務省の見解が曖昧だったため、どちらの委員会でも良いことになっている。ただし、一度、どちらかの委員会で検討をしたら、その議会では、同じ委員会でやり続けなければならない」のだそうです。



さて、常総市で過去に議員定数を削減した際には、特別委員会を設置して、そこで検討したようです。

常総市議会 議事録
2010.12.14:常総市:平成22年第4回定例会(第4号) 本文
議員定数等調査特別委員長(中村安雄君) では、報告をいたします。
 議員定数等調査特別委員会に付託されました案件の調査の結果を御報告申し上げます。
 初めに、常総市は平成18年1月1日に旧水海道市石下町が合併し誕生しました。(略)当市議会も平成18年9月に議員定数調査特別委員会を設置し、その後5回の協議を重ねて、議員定数を26名として平成19年4月から適用されたものです。(略)
 平成22年第2回市議会定例会において議員定数等調査特別委員会を設置し、以来、今日まで、6回にわたり本委員会を開催し、議員定数等に関する調査研究を重ねてきたところです。


2月の議会での議員定数削減にかかわる2つの議案のうち、定数削減の“請願”は議会運営委員会に付託しました。
しかし、議会運営委員会には定数削減の“条令”を審議する権限はありません。
(なお、条例案は、委員会への付託を省略し、本会議のみで議論しているので、委員会に関する問題はありません)


それなのに、条例案についての討論で、「審議は議会運営委員会で十分に行われている」という発言がありました。繰り返しになりますが、常総市の議会運営委員会では議員定数の“条令”について審議することはできません。


したがって、定数削減の“条令”について審議した時間は、全てを合わせても本会議での20分ほどの質疑・討論だけということになります。
しかも、そのうちの約10分は1人の議員の発言時間ですし、他の議員の発言は採決の必要性を確認しているだけで、議案の内容に関わるものではありませんでした。
(議員全員協議会は、当時は任意の私的な会合ですから、審議の時間には算入できません)



今回の条例案については、手続きがあまりにもずさんだったとしか言いようがありません。




議会運営委員会の権限と役割(PDF ファイルです)






委員会という制度自体が良くわからないひとも多いと思います。(私もそうです)
地方議会の議案の流れについて、ちょうど茨城県議会の広報誌で図解していました。わかりやすいので載せておきます。
(文字が小さくて読めないと思うので、リンク先の PDF ファイルを参照していただいほうが良いと思います)

いばらき県議会だより No.191 発行 2015年(平成27年)4月26日 平成27年第1回定例会 7面(PDF ファイルです)