それは“認定”容量なんだけど

なんか、誤解されそうな新聞記事があったので、一応、書いておきます。

太陽光発電の新設相次ぐ、経済効果も…茨城 : ホームガイド : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

茨城県内で太陽光発電設備の新設が相次いでいる。2012年7月に、国が固定価格買い取り制度を導入して以降、認定した設備件数は今年3月に3万件を突破、発電容量は全国3位となる計388万キロ・ワットで、東海第二原発東海村)の3倍以上に達する。


これは設備を作ることを“認定”した容量であって、実際に建設されて発電しているのは、その一割強の約44万キロ・ワットです。
1年ほど前の古いデータですが、全国的に稼働しているのは認定の1割程度のようです。(2013年10 月末時点)太陽光の新規導入量が567万kWに、メガソーラーの稼働は認定の1割未満、経産省が公表 - メガソーラー - 日経テクノロジーオンライン


まぁ、44万キロワットでも、東海第二原発(定格電気出力 110万kW)の4割ですから、短期間でよく作ったなとは思いますし、今後もますます拡大していくことは間違いありません。
しかし、何度か書いているように、太陽光発電の固定価格買取制度というのは、太陽光発電の設備を導入出来る金持ち(個人、会社)が、貧乏人の電気代負担で、ますます金持ちになる制度ですから、全然、嬉しくはないですね。
(銀行にとっても、安定した収入が法的に保証できているのですから、簡単に安心して利益を上げられる融資先です)


それに、発電容量といっても理想的かつ仮定の条件での発電量のことです。真夏で太陽光パネルが高温になり、発電能力が下がったときの発電量でありません。
また、近年は、夕方になっても暑いので、使用する電力量はさほど減らないのに、太陽光発電の発電量は減ってしまうわけです。
単純には、いかないですよ。


普通の人が知らないのは仕方がないので、報じる新聞記事では“認定”と“導入”の違いを明記して欲しいと思うだけです。
でも、普段から資源やエネルギー(原発とか)について発言しているのに知らないか、知らないふりをして(誤情報を拡散して)いるひとを散見したため、(がっかりしながら、)わずかでも誤解の拡散を減らせるように書いてみました。



元のデータは、このサイトからダウンロードできるようです。
稼働している施設のことを、“導入”と呼んでいるようです(未確認)。
全国でも太陽光の導入量の合計は 1450万キロワットです。
(計算すると報道などと数字が微妙に合わないんですよね。集計上の条件などの違いがあるのかもしれません)
なっとく!再生可能エネルギー 各種データの公開


追記 2014年9月,

法制度・規制:固定価格買取制度の認定が5月に急減、太陽光はわずか28万kW - スマートジャパン

2014年度に入って買取価格が引き下げられたことを受けて、太陽光発電の認定が大幅に減少している。資源エネルギー庁がまとめた最新のデータによると、5月に認定を受けた太陽光発電設備の容量は合計28万kWにとどまり、4月と比べて約10分の1の規模に落ち込んだ。

自然エネルギー:太陽光発電が増える福島県、固定価格買取制度の認定容量で全国1位に - スマートジャパン




追記



常総市のウェブサイトに、甲状腺の結果と線量の変化のグラフ

上記の記事とは全く関係ありませんが、単独で記事にすることではないので、ここに書いてしまいます。


常総市のウェブサイトに、甲状腺エコー調査の7月分の結果が追加アップされていました。
5人が受診して2人が経過観察です。累計では他の自治体等との結果と同等かと思います。
甲状腺エコー検査の結果について(H26.8.18)


過去の線量の測定結果をグラフにされています。それなりに手間がかかったのではないでしょうか。お疲れ様です。
言うまでも無く線量の変化は殆ど有りません。一部の測定箇所で6月、7月に上がっているところもありますが、気象条件などによる変動の範囲内ではないでしょうか。
子どもの生活環境における空間放射線量率測定結果の推移について