脱原発な都知事選挙 続きの続き

数日前のブログ記事で、都知事選挙については終わりにすると書きましたが、やっぱり色々と言いたいことは出てくるし、腹に溜め込んでいるのも辛いので、文字にしていたものです。
せっかく書いたので、投票時間が終わる20時にアップしてしまいます。
(追記 アップした数秒後に各社から当選確実が出た。。。。)


なお、この記事は細川候補へのいちゃもんです。知識も見識もない人間が書きなぐっているだけですので、読まないことを推奨しますす。


誰がなっても同じなら、細川陣営が辞退すべき。

小泉元首相は、「原発を除いて、他の様々な重要な問題は、候補者、だれが知事になっても大して違いはない」と言われたそうです。
宇都宮氏は候補者の一本化について、原発以外の政策も有るから一本化は無理だといっています。
誰でも同じなのであれば、細川氏は、「当選しても就任を辞退する」と表明して、宇都宮氏の応援に回ることで一本化するのが合理的な行動となります。
でも、そんなことは考えたこともなかったようにしか思えません。少数派の排除と権力欲ですかね。


そもそも、大変、失礼な発言

小泉氏の「だれが知事になっても大して違いはない」という発言は、他の候補者にも有権者にも、大変、侮辱的な発言だと思いますよ。
立候補している方々は、他の人より良い都政が出来ると思っているわけですし、有権者も少しでも良い人を都知事にしたいと思って誰に投票するかを吟味しているわけでしょう?
「そんなことは無駄だ」「どうせ有権者に細かいことはわからない」と、有権者を馬鹿にしているとしか思えない。


東京都に権利があるというなら、責任も感じて、宮城県の指定廃棄物を受け入れたら?

宮城県は、東京電力の管轄でもないし、東京電力原発も無いので雇用も補助金も何も得るもの無かった。
それなのに、東電原発事故で放射性物質が飛来し除染して出た指定廃棄物の処分に困っているわけです。(しかも個人の農地などに保管している物も有るため、近所の人との関係が悪化した事例もあるそう)


東京都は、電力の消費地で、東電の大株主だから原発についても発言権があるというけれど、それなら株主責任として、宮城県の指定廃棄物を東京都で受け入れればいいんですよ。
というか、それが最低限度の責任のとり方でしょう? 細川氏は処分場の受け入れということを少しだけは言ったようですが、具体的なものではないようです。
「核のゴミは、原発推進派の自宅に置けばいい」というような発言をした応援者も居るようですが、それなら、宮城県の指定廃棄物は、東京都民の全ての自宅に、分散して置かなきゃいけないんじゃないですか。年間数十億円の東電からの配当金を受けていた都民には、発言権と責任があるんですから。


今、現実に起こっている問題の解決策を全く示さないくせに、将来の核のゴミの処分を問題視するとは。
交通事故をおこしておいて、「信号機を設置すれば、今後は交通事故は起きないよね」とか言っているようにしか思えません。言っていることは正しいかもしれいなけど、まずは目の前のケガ人を助けてほしいものです。

Session-22企画会議 都知事選候補者へ送る公開質問状 回答まとめ | ポリタス - 「東京都知事選2014」を考える
Q1. 都知事として、東京都で最終処分場や中間貯蔵施設を引き受ける可能性はありますか?
細川護煕
ない
細川護煕
ない
細川護煕
ない

大事なことなので3回、書きました。
迷惑な物を地方に押し付けるのは駄目たというのも原発に反対する理由の大きな理由だと思うのですが、核のゴミについては、東京以外に押し付けることは当然のこととお考えのようです。
(宇都宮氏も、「放射性物質の拡散が心配されている瓦礫の焼却処理については、いったん凍結」と言われてるのですよねぇ。何年前の議論?)


都民以外は二級国民ということらしい

小泉純一郎都知事が誰になるかによって国政を動かせる事が出来る選挙は滅多にない」


今の安倍政権は、国政選挙で日本の20歳以上の国民が選んだ結果です。一票の格差小選挙区制による歪みもあったでしょうが、世論調査による内閣支持率でも過半数(5〜6割)の支持があるわけです。
それなのに、都知事選挙によって、安倍政権と対峙し、原発政策以外の国の政策をも変えたいようです。
都民以外の意思はどうなってしまうの? 都民以外は二級国民だから、どうでも良いの?


都民が、特権意識をくすぐられて候補者に好意を持つのは理解できますが、都民ではない人が都民に国を変えて欲しいと願っているのは何なのでしょう? 
戦争に負けて支配しに来た占領者にゴマをすって、ご飯を恵んでもらっているような卑屈さを感じてます。


不満はあるかもしれませんが、国民が選んだ政権と政策なんですよ。それを一つの地方自治体がひっくり返そうとしている。地方蔑視だよ。
沖縄の基地問題などで使われる“沖縄差別”という言葉がピンと来なかったのですが、ちょっとだけ分かったような気がします。


タイは満足な選挙もできず大変な状況のようですが、あれは、地方に支持されているインラック首相と、都市部(エリート層)を中心とする反タクシン派の争いだそうです。
日本の状況とは全く違いますが、「国全体で決めたことを、都市部の人達がひっくり返す」という構図は似ているし、それを肯定してしまうのは大変、危険なことだと思います。


細川陣営は、開票所に監視人を付けましょうよ

これまでの国政選挙では、結果の判明後に、開票に不正があったとの指摘が、主に反原発派の方々から強く、おこりました。
さすがに、3度めの正直ですから、今回は、前もって開票所に監視員を派遣したらいいんじゃないでしょうかね。
それをしないで不正だとか何だとか言っても、相手にされないでしょ。
そもそも反原発派が多数なのであれば、開票作業をした公務員や立会人の中から告発する人が何人も出てきても良さそうなものですが、私の知る限り居ないみたいです。
不正選挙だと叫ぶのは、イソップ童話に出てくるキツネが「あのブドウは酸っぱいんだ」と言うようなものだから、暖かい目でみてあげるのが正しいのかな。

即時ゼロにしても、解決する問題は殆ど無いよ

核のゴミの処分も、被災者支援も、被災地の復興も、東電事故原発廃炉作業も、即時ゼロにしても少しも解消しない。
わかっているのかな?





東海村前村長 村上氏のインタビュー

都知事選挙とは無関係ですが、たまたま見かけたので。

「原発のメリット? デメリットだらけの疫病神だ」エネルギー政策は「即ゼロ」を基本にすべき――村上達也・元茨城県東海村長、脱原発をめざす首長会議世話人|シリーズ・日本のアジェンダ 私たちは原発をどうするのか|ダイヤモンド・オンライン
即ゼロだよ。即ゼロでなければ、新しいものは見出せない。中期的には動かして原発依存を脱却するっていうのは、曖昧だ。基本は即ゼロ。そこから新しい方針や政策が生まれてくる。
 しかし、そうは言っても、やはり即ゼロにするのは難しいという状況があるかもしれない。その時はやむを得ず次善の策として動かすという決断はあるのだろう。でも、段階的に減らしていくっていうのは、政策になりませんよ。
 どちらが前提なのかというのが大事です。段階的と言っていては、政策立案者としてはダメですよ。

何を言われているのか、わかりません。看板に「即時ゼロ」と書けば、原発を動かしてもいいってことでしょうか?
原発を積極的に推進したい人は別ですが、原発の再稼動を望んでいる多くの人は、(他の電力源が出来るまでの)次善の策として当面(数年〜数十年)の原発活用を言っているだけだと思うんですが。


今回の都知事選挙で即時ゼロ派が負けてしまえば、原発再稼動の実現に近づきます。
でも3年近く停止していたことによる、人材流出、経験者の不足という痛手は大きいです。
稼働して数年後には、現場に経験者が居ない作業(5年おきの定期部品交換など)が多数、発生するんじゃないかと思います。大事故にはならないまでも、ハシゴの代わりに配管に足をかけて破損させたり、ボルトの太さを間違えるなど、どうしようもないミスは起きそうです。
再稼動した数年後は、避けられるかぎり、原発の近くには寄らないようにするつもりでいます。
法的な根拠も無いのに停止させたままにしたのは、危険性を増す結果を導いただけのように思っています。



追記(2月12日)

東京新聞:都知事選「目先の経済追う 歴史的過ち」 東海村前村長が批判:社会(TOKYO Web)
本紙の取材に「極めて残念。東京都民は目先の経済だけを追い、歴史的な大きな間違いを犯した」と強い口調で批判した。「都民は東京電力福島第一原発事故を忘れ、平和憲法の精神を壊そうとする安倍政権を支持した。東京が日本を駄目にしていく」とも述べた。

すごい言い方ですね。即時ゼロ派(反原発派)の人達だけに向けた言葉です(東京新聞だからね)。即時ゼロ派は少数派なのだから、自分たちの夢を実現するには、中庸な人達を味方にしなければいけないのに、敵視してどうするんだろ。
お祭りネタがなくなるとつまらないから、深層心理では実現を望んでいないのではなかろうか。

石原慎太郎元知事はバリバリの原発推進です。猪瀬前知事は自前の電力設備を作ろうとしたりしてましたから、原発には懐疑的な立場だったはずですが、脱原発の明言まではしなかったようです。それが今回「脱原発依存」を明確に言う知事だ誕生したのですから悪い話ではないと思うのですけどね。全国的に見ても脱原発を明言している首長は少ないのですし。

一部の政治家や官僚、電力業界は原発を推進し、新規増設や輸出を目指していますし、国民が何も言わなければ、確実にそのようになります。
今回の選挙結果を、「積極派(田母神)」 vs 「消極派(舛添、細川、宇都宮)」と見れば、1対9 で圧倒的多数で原発推進にノーを突きつけたわけで、安倍政権(の原発政策)に対するノーでもあります。
それは選挙の成果だと思うのですが、なんで、「即時ゼロ派」vs 「段階的ゼロ派」の戦いとしか見れないんでしょうね。推進派からみれば、内ゲバしているだけですよ。
それにしても元総理大臣3人(細川、小泉、菅直人)の陣営が、政治家経験の無い弁護士さんより得票数が少ないというのは予想外でした。一本化するなら、宇都宮さんに集まるべきでしたね。


2月11日 朝日新聞