投票行動は、結構、無責任

選挙に関する面白い連載記事があったので、記録しておきます。

「政治不信が高まると投票率が低くなる」は本当か:日経ビジネスオンライン http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120508/231768
投票率が高くなるのも低くなるのも、全ては、首相、政党、或いは候補者次第」という、暗黙の前提を置いていないだろうか。 (略)
しかし、投票率に関する膨大な数の統計的研究によれば、投票率が低いのは、かなり自己中心的な「有権者のせい」なのである。
 実は、選挙で特定の候補者に投票するか否かという行動は、競馬で特定の馬に賭けるか否かという行動によく似ている(略)
「自分が投票した候補者が当選した場合に得られる便益」×「自分が投票するか否かが、投票した候補者の当落を左右する(と思う)確率」−「投票するコスト」という値が0より大きいか否かで決まるのである。

投票をするかどうかは、打算的な考えが基盤にあるものの、その範疇では合理的な判断をしているということでしょうか。

笑う門には「票」来たる 顔認証技術が明らかにした無責任な投票行動:日経ビジネスオンライン http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120509/231827
ここ数年、有権者は上記のような「まっとうな」理由ではなく、かなりどうでも良い、政治とは関係のない理由で候補者を選んでいると結論づける「まっとうな」学術研究が増えてきている。例えば、選挙直前のアメフトの試合で地元チームが大勝するほど現職候補者の得票率が上がるとか、「美人(ハンサム)」な候補者ほど得票率が高くなる、といったことが明らかになっている。(略)
笑顔指数そのものの影響を推計することに努めた。その結果、日本でも、オーストラリアでも、笑顔指数が大きければ大きいほど得票率が高くなることが分かった。(略)
分析結果によれば、選挙における候補者は、より大きな笑顔で写真に写った方がよいことになる。しかし、より大きな笑顔の候補者が、有権者にも笑顔をもたらすとは全く限らない。候補者の政策や資質を吟味することなく、瑣末な理由で有権者が候補者を選んでいるのであれば、それは、民主主義に対する重要な警告だ

投票先を決めるのに顔写真だけで判断したとしても、投票しないよりは何百倍も良いと思います。
でも、それは人間の本能に基づいた、あまりほめられたものでは無いということを頭の隅に入れて投票したほうがよさそうですね。



なお、だから「しっかり考えよう」とか「選挙は無意味だ」と言いたいのでありません。「どうせ他の人の多くも、それほど、ちゃんとした考えを持って投票しているわけじゃないのだから、気楽に投票しようよ」ということです。
特に若い人は、投票しないという、ただそれだけで、既得権者やお年寄りにとって有利な政治を援助してしまうことになるのですから。



当ブログでの選挙関連記事
ネットでできる候補者選び
市長選の選挙公報
常総市長選挙 新聞記事の収集 
たった37票の差で当落の決まった市長選挙があった
投票に入場券は不要です
「選挙・議員」カテゴリー