武田邦彦教授が変な計算をされています

武田教授がブログで妙な計算をされています。
普通に放射能の知識を仕入れている人が読めば、間違いを指摘することはできなくても、おかしいことは感じられたと思うのですが、既に転載などをされている人がいらっしゃるようです。
武田教授のブログは玉石混合とはいえ、今回は石にもならない内容した。
そのうち修正されると思いますが、あまりにも酷かったので、拡散を少しでも減らせればと思い記事にしてみました。

http://takedanet.com/2011/08/post_5847.html 武田邦彦 (中部大学): 甘く見られないように(2)・・・「どうせガンは多いのだから」(平成23年8月22日)
【第一結論】
1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能が2倍に増える。
【第二結論】
1年1ミリを被曝すると子供はガンの危険性が150倍になる。
以上のことから次のように反論してください。
(略)これに対して1年1ミリ被曝すると0.5%がガンになりますから、被曝によって{普通にガンになる(0.45%)+被曝でガンになる(0.5%)}で約2倍になるということです。(略)
また子供に限定すれば(略)100倍以上もの危険性を負います。100倍ですよ! 大人を信じている子供を裏切ることにはなりませんか!


武田教授は、年間2ミリなら乗り切れると言っていたのですが、子供のガンの危険性が300倍(200倍?)になることは、許容できるということなのでしょうか?
http://d.hatena.ne.jp/hyakubann/20110718#p2 武田邦彦教授も、年間2ミリなら乗り切ることができるとの見解


どこが間違っているかは、NATROM さんが指摘されています。
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20110822#p1 「1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が2倍に増える - NATROMの日記

修正されたようです 8月24日、25日追記

【第一結論】
1年100ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能が2倍に増える。
【第二結論】
1年100ミリを被曝すると子供はガンの危険性が150倍になる。
以上のことから次のように反論してください。
(略)これに対して1年100ミリ被曝すると0.5%がガンになりますから、被曝によって{普通にガンになる(0.45%)+被曝でガンになる(0.5%)}で約2倍になるということです。

机上の学問ならともかく、年に100mSv にもなる環境に子供を置こうとする人は政府にも居ないと思うのですが、誰に対して反論してくださいと言っているのでしょう?

http://takedanet.com/2011/08/post_0943.html 武田邦彦 (中部大学): 秋の食材・・・これは大丈夫、これは危険(平成23年8月24日)
うっかり1年100ミリシーベルトと書くところを1年1ミリシーベルトと書いてしまいました。これまでこのブログでは被曝のことを何回も書いてきたので、ほとんどの読者の方は「また、書き間違っている」と思って、正しく解釈しながら読んでいただいたのですが、一部の方には誤記に気がつかれなかったようです。
なんであれほど繰り返し書いていることが一回、誤記すると何回かの内容がゼロになるのかわからないのですが、そのように解釈する方もおられるようです。

ブログを読んで、「1ミリでも2倍っ!!これは大変だ!!」と思ったり、自分のブログに転載した人も少なからず居たのですが、自分のファンを Dis ってどうするのでしょう? ファンの面目、丸つぶれです。
また、4回出てくる数字を、4回とも間違っていたら、書き間違いとは言わないと思います。
それに、数字の間違いだけではなく、年間のガン死亡率と生涯のガン死亡率、もしくは、1年間のみ被曝することと生涯被曝を続けることを混同しているらしいから批判されているのであって、やっぱり分かっていらっしゃらないのではないでしょうか。

どうも誤字や誤記がなくなりません。おっちょこちょいの性格はなかなか直りませんね。もし、それが気になる読者の方がおられましたら、私が慎重になるまで暫くほかのブログの方でお願いします。

教授に何か言いたいのではなく、教授のブログを読んで、無駄に不安を持ったり、間違った情報を受け入れてしまう読者に対して伝わればと思っているんじゃないでしょうか。
指摘が気になるのであれば、無視されれば良いのではないかと思います。

買うときに1キログラムあたりのベクレルが表示されていれば、100ベクレルですと、それを100で割ると、1年あたりの内部被曝が1みりシーベルトになります←これは間違いありません!!見直しよし!!見直しOK!!

「ここ、笑うところですよっ」ってやつなんでしょうか?
それはともかく、食品からの被曝について武田教授は以前、このように書かれています。(一部省略)

http://takedanet.com/2011/07/post_d73e.html 武田邦彦 (中部大学): ベクレルからシーベルトへの計算(牛肉汚染に備える)(平成23年7月16日 午後7時 執筆)
実質的な被曝量(1年あたりミリシーベルト
=(食品のベクレル)×(1日に食べる量(キロ))×0.0073

この計算式に当てはめると、100Bq/kg のものを1日1キロづつ、一年間食べ続けていれば0.73みりシーベルトの被曝になるのですが、新たに簡単な計算方法を考え付かれたのでしょうか?
教授の記事の前後を読んでいると、食品の暫定基準値てある500Bq/kg というのは「密かに「1年5ミリシーベルト」で食材の基準を決めた」と書かれているので、ここから単純に、100Bq/kg なら、1年で1みりシーベルトになるとしたのかもしれませんね。

ためしに、「セシウム134 50Bq/kg 、セシウム137 50Bq/kg、ストロンチウム90 5Bq/kg で、1日1キロなら1年では365キロ」という条件で計算すると、0.65みりシーベルト(17歳以上)の被曝になるようです。
http://www.mikage.to/radiation/internal_exposure.html 食品による年齢別の内部被曝ベクレル(Bq)シーベルト(Sv)換算ツール


なお、上記の計算式にある「0.0073」というのが何かについては、こちらで書いてあります。
http://d.hatena.ne.jp/hyakubann/20110718#p2 武田邦彦教授も、年間2ミリなら乗り切ることができるとの見解


食品からの内部被曝量については、こちらにも書きました。
http://d.hatena.ne.jp/hyakubann/20110715#p1 今後の被曝量の見積もり(飲食物による内部被曝
1日に食べる量が1キロというのは少なく見積もっているようです。(子供を考えているからからかれしれませんが、そうだとすると子供の暫定基準値はもっと高くても良いので整合がとれていません)
http://okwave.jp/qa/q6931301.html 一年間の食事量、もしくは一日の食事量 | OKWave


「密かに決めた」と言われている年間5ミリシーベルトという値も、東電の事故前には指標として存在したようです。事故後にそれを暫定基準値として用いることを決定したのではなかったかと思います。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-03-03-06 飲食物摂取制限 (09-03-03-06) - ATOMICA -
ちなみに、担当分野は違うのでしょうが、それらが決められた頃、武田教授は委員を勤められていたようです。 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/kettei/kettei101005_1.pdf http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/kettei/kettei080819-1.pdf