東海原発、廃炉を先送り

東海原発(第二原発ではありません)の廃炉作業が、解体作業によって出るゴミ(放射性廃棄物)の処分場が無いため、実施できなくなっているそうです。
2013年11月18日 朝日新聞

東海原発、廃炉先送りへ 解体後のごみ処分場決まらず:朝日新聞デジタル


これについて、「それみたことか。やっぱり原発は止めよう」みたいな反応も有るようですが、それは違うのではないでしょうか。


このまま、廃炉作業に入れず、他の原発も再稼動できず、原発の新設も無いままで、10年くらい経過してしまったら、原発の技術者は転職しているでしょうし、現場の作業の経験者も居なくなってしまい、廃炉作業できる人が居なくなってしまいます。
将来の安全な廃炉を考えるなら、再稼働するか、原発を新設して技術を継承するしかなさそうに思うんですが。
(ただちに最終処分場を決定してもよいけれど、再稼動より困難でしょうし、反原発の方々にとっては、決定してしまうと原発に反対する最有力の根拠がなくなってしまうから望まないでしょう)


あと、「再稼動しなくても、原発廃炉作業があるから、雇用や地元は大丈夫だよ」みたいなことを言われていた反原発の方もいらっしゃいましたが、廃炉作業に入れないのでは、やっばり仕事は無いし、地元経済(旅館など)にも多大な損失になりましたよね。
原子力ムラの既得権のために再稼動したいのだとか批判しているけれど、ごくごく普通の多数の一般市民も損失をうけるんですよね。
主義主張の是非はどうであれ、事実関係の間違いは駄目でしょ。




(追記)
小泉元首相は、「私の結論はこれから日本で核のごみの最終処分場のメドをつけられると思うほうが楽観的で無責任過ぎる」と言われています。(11月12日記者会見)
しかし、最終処分場がなければ廃炉作業を始められないのですから、即時に原発ゼロにしても、原発はそのまま置いておくということになります。
原発の人達は、最終処分場がないから原発は駄目だというけれど、最終処分場が無ければ、廃炉もできないわけで、処分場の有無と、今後の原発の方針とを直接に結びつけてはいけません。


室井佑月さんがアホなのは、小泉元首相を支持したことでは無く、最終処分場の有無が再稼動反対の理由になると考えているところだと思う。
室井佑月「あたし、アホです」 その理由とは? 〈週刊朝日〉-朝日新聞出版|dot.(ドット)
室井佑月「あたし、アホです」 その理由とは?小泉原発発言vs内田樹先生の呟き… - Togetterまとめ




(追記)
そもそも、化石燃料(石油とか天然ガス)だって、トイレなんかないでしょ。
二酸化炭素を垂れ流しして(異論はあるものの)気候変動を起こしたり、ばい煙(PM 2.5)を撒き散らしたり、海水温を上げたり。
ましてや二酸化炭素の処分技術は確立されていのに、"お金"の面で、やらないだけなんですよねぇ。
なんで、化石燃料にそんなに優しいの。


東海原発、廃炉5年先送り 廃棄物の処分場も未定:朝日新聞デジタル
日本原子力発電は19日、2020年度としてきた廃炉作業の完了時期を5年間先送りすると発表した。廃棄物を運び出す装置の設計が遅れているためといい、先送りは2度目。