放射性の指定廃棄物の最終処分場 その15

茨城県にとって、指定廃棄物の最終処分場の問題は、最後まで尾を引きそうな問題になるだろうと思って記事の収集を始めたのですが、予想以上に長引いてますね。


前にも書きましたが、国は処分場ができなくても困らないし、多くの自治体にとっても、このままの状態が一番良い(住民の反対運動に対処しなくてよい)からでしょうかねぇ。
(こんな状態で、福島第一原発の解体物の処分場は作れるんでしょうか。関東地方のどこかに作るのが道理にかなうことなのに)



埼玉県(市?)は独自に対応するため、あえて国に申請しないことを選んだと聞きましたが、なかなかの慧眼でしたね。(まぁ、560トンほどと量が少なめだからという事情もあるとは思います)



茨城県は、現在の置き場所に保管し続ける方向でまとまりそう(過去記事参照)
・栃木県は、県内複数箇所に処分場を建設する方向
群馬県は、市町村も知事も、県内設置に反対していて膠着状態?
・千葉県は、手賀沼湖畔の仮設保管場(2014年度末まで)に集積したが、今は反対運動で搬入困難。最終的には複数箇所に分散処分の方向?
宮城県は、県内設置に反対していて膠着状態?
・東京都、埼玉県、岩手県新潟県、神奈川県、北海道、秋田県は、既存の処理場などで分別管理して処分。
福島県は、県外に処分すると国は決めているが、具体策は全く未定? 県内富岡町の一般産業廃棄物の処分場に管理処分の方向 (8000〜10万ベクレル/kg の物。10万を超える物は県外処分)


茨城県

http://senkyo.mainichi.jp/news/20130713ddlk08010113000c.html 分岐点:2013参院選・いばらき/5 指定廃棄物 処分場、見えぬ着地点 地域一帯で白紙撤回も /茨城− 毎日jp(毎日新聞)
草間市長は6月議会の一般質問で、「(選定のやり直しについて)市民同盟、市民、市議会、市の4者で白紙撤回を求めてきた活動の結果であり、大いに評価している」と答弁。さらに、「市民の合意形成は1000%無理であり、『絶対の安全』もありえない。従って国の責任において国内1カ所に設置すべきだと考えている」と述べ、改めて福島県内で処分するよう求めた。

有識者会議(第5回 7月16日)

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013071601002136.html 中日新聞:原発指定廃棄物の処分場選定 保管量、指標除外を容認:社会(CHUNICHI Web)
最終処分場候補地を選ぶ際の4項目の指標のうち、地元合意があれば「廃棄物保管量の多さ」の除外を認める見解を示した。保管量が多い自治体から「われわれは被害者で、量を基準にするのは間違いだ」と不満が出ていることに配慮した。


http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20130717/1089518 指定廃棄物処分場 保管量の評価除外も |下野新聞「SOON」
一方、指定廃棄物の焼却灰や下水汚泥が、複数の自治体で広域処理を行う施設から発生した場合、施設を利用する市町村に応分の量を配分し、保管量と見なす方針も説明した。処理施設がある特定の自治体に、保管量が偏って計上されるのを防ぐ狙いがある。

千葉県(一時保管場への搬入が反対運動で阻止。その他はニュースが乏しく、よくわかりません)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2101L_R21C12A2CC0000/ 指定廃棄物の一時保管開始 千葉、最終処分場は未決定 :日本経済新聞
2012/12/21 12:23
県が一時保管場に指定した手賀沼終末処理場(同県我孫子市など)の受け入れ態勢が整い、21日に移送作業が始まった。
 処理場入り口には約60人が集まってトラックの進入を阻み「地元住民の意見を無視した搬入だ」と抗議の声を上げた。
 廃棄物は2014年度末まで一時保管した後、国が県内に設置する最終処分場に移す予定だが、候補地は決まっていない。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0301L_T00C13A6CR0000/ 環境副大臣、指定廃棄物「安全な最終処分場必要」 :日本経済新聞
2013/6/3 13:20
 東京電力福島第1原子力発電所事故で高濃度の放射性物質に汚染された「指定廃棄物」について、井上信治環境副大臣は3日、千葉県印西市にある手賀沼流域下水道終末処理場内の一時保管場所を視察した。
 遮蔽用土のうに囲まれたテント状の倉庫に廃棄物が保管されている状況を確認。「近くには住宅もある。さらに安全な最終処分場が必要だと強く感じた」と述べた。

http://sankei.jp.msn.com/region/news/130801/chb13080122460010-n1.htm 松戸市の汚染焼却灰 住民反対で手賀沼終末処理場への搬入断念 千葉 - MSN産経ニュース
千葉県松戸市は1日、国の基準値(1キロ当たり8千ベクレル)を超える放射性物質を含む焼却灰を、手賀沼終末処理場(印西、我孫子市)に設置された県の一時保管施設に搬入する作業を再開しようとしたが、地元住民らの反対行動で中止した。今後の搬入は未定という。
 同日午前9時すぎ、焼却灰2・44トンを乗せたトラックがクリーンセンターを出発。終末処理場入り口付近で住民ら約40人に取り囲まれたため、到着から約6時間後の午後4時半ごろ、搬入を断念

http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20130802/CK2013080202000150.html 東京新聞:松戸市の指定廃棄物 住民ら盾搬入拒む:千葉(TOKYO Web)
車は午前十時半ごろ施設近くに来たが、住民らは「放射能汚染灰持込反対」などと書いた紙を持って車の前に立ち続けた。通すよう求める松戸市の担当職員に、住民側は「引き返してください」と繰り返し、時折「帰れ、帰れ」とシュプレヒコールした。
 同処理場は、指定廃棄物の最終処分場が設置される二〇一四年度末までの一時保管場所として、県が設置した。

http://www.city.abiko.chiba.jp/index.cfm/24,118350,252,1120,html 第2回千葉県指定廃棄物処理促進市町村長会議 - 我孫子市ホームページ
 出席した首長からは、選定手順等については、特に意見は出ませんでしたが、最終処分場の複数設置を求める意見が出されました。

栃木県(8月下旬に首長会議)(矢坂市長は態度を軟化)(県内に複数設置する方向?)(市民同盟会は危機感)

http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20130717ddlk09040099000c.html 東日本大震災:福島第1原発事故 県の現状と隔たり鮮明に 処理方針議論されず−−指定廃棄物有識者会議 /栃木− 毎日jp(毎日新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20130717-OYT8T01438.htm 最終処分場 8月下旬に首長会議 : 栃木 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
3回目の市町村長会議を8月下旬に開催する方向で環境省と調整していることを明らかにした。(略)
建設予定の5県のうち、政府方針に反対しているのは栃木と群馬両県の一部首長のみで、当初は反対意見が多かった茨城県でも議論は容認に傾いている

http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20130718ddlk09040119000c.html 東日本大震災:福島第1原発事故 指定廃棄物処分場問題 知事「来月下旬に市町長会議」 「県内処理」前進に期待 /栃木− 毎日jp(毎日新聞)
県内処理について環境省側は16日の第5回有識者会議の終了後、処分場を新設する必要がある5県のうち、宮城、千葉県でおおむね了解を得たとし、茨城県についても「(反発の)火は消えた」という認識を示していた。

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20130718/1091007 指定廃棄物処分場 各県1カ所49%が支持 |下野新聞「SOON」
下野新聞社が14〜16日の3日間に実施した参院選に関する世論調査によると、放射性物質を含む指定廃棄物処分場選定問題で、各県に1カ所の処分場を造る国の基本方針について約半数の49・1%が「支持する」「どちらかといえば支持する」と答えた。
 一方、東京電力福島第1原発周辺での一括処理については「支持する」「どちらかといえば支持する」が45・3%と、基本方針支持率と拮抗。県民は「県内処理」に一定の理解を示しつつ、福島での処理を求める意見も根強いことが浮き彫りになった。

http://sankei.jp.msn.com/region/news/130719/tcg13071902090003-n1.htm 最終処分場「痛み分け必要」 矢板市長 栃木 - MSN産経ニュース
矢板市の遠藤忠市長は18日、指定廃棄物を発生県で処理するという政府方針について「現時点では基本方針を見直してほしいという思いは変わらない」としながらも「県内どこかに造るとなると痛み分けが必要で、1カ所に集中させるのは難しい」と述べ、これまで主張してきた県外処理にこだわらない姿勢を示した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130720/elc13072003070040-n1.htm参院選2013 栃木】争点の現場(下)指定廃棄物最終処分場 - MSN産経ニュース
さらに「どこかに造るなら痛み分けが必要」と踏み込んだ言葉を続けた。県内廃棄物を1カ所に集約せず、複数の市町で受け入れる案だ。
 最終処分場ではなく指定廃棄物が保管されている仮置き場を活用。いくつかに集約して安全性を高めた上で保管する。「そう簡単にはいかないが、最終処分場では住民の理解が得られない。一つの方法だ」と遠藤市長は話す。
 処分場問題は大詰めを迎えた。県内設置へ向けた議論が加速する可能性が強まってきた。

http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20130719ddlk09040080000c.html 東日本大震災:福島第1原発事故 指定廃棄物問題 矢板市長、県内処理「慎重に検討」 反発姿勢を軟化 /栃木− 毎日jp(毎日新聞)
遠藤市長は一部首長の先頭に立って国の方針に強く反発してきたが、軟化とも取れる発言をしたことで、難航している市町長間の合意形成に影響を与える可能性もある。 (略)
 その上で県内処理を了承した場合は、「一つの市町に集約することは非常に難しく、『痛み分け』が必要になってくる」とした遠藤市長。「多数ある一時保管場所をいくつかにまとめ、指定廃棄物の『仮置き場』を安全な状態にするのも一つの方法ではないか」と提案した。県廃棄物対策課によると、仮置き場は県内に174カ所ある。

http://sankei.jp.msn.com/region/news/130731/tcg13073102220003-n1.htm 指定廃棄物最終処分場問題 那須町長が複数案支持 栃木 - MSN産経ニュース
那須町の高久勝町長は30日の定例会見で、遠藤忠矢板市長が提案する指定廃棄物の集約場所の複数設置案について「最終決着を図れれば問題解決の糸口になる」との見通しを示した

http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20130731ddlk09040125000c.html 東日本大震災:福島第1原発事故 指定廃棄物問題 方針見直しへ活動継続 矢板の住民組織、緊急集会で確認 /栃木− 毎日jp(毎日新聞)
矢板市の住民組織「市民同盟会」は30日夜、緊急集会を開いた。「発生県内で処理」と定める国の基本方針に対し、県内首長が相次いで容認姿勢を示していることを危惧しての開催で、出席者は方針見直しに向けた活動を続けることを改めて確認した。

群馬県 (市長会7月22日に意見交換会。町村会7月24日に意見交換会)(知事や副大臣は、県内設置の方針を変える様子は全く見せず)

地方分権は当然だし、国の地方への口出しは減らしたほうが良いと思っていますが、こういうやり取りをみると、国の強硬な権力行使(強制収容など)の必要性は認めざるをえないですね。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20130724-OYT8T01487.htm 指定廃棄物、町村会が処分場拒否 : 群馬 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
「建設を受け入れる町村は県内にはない」との見解で一致し、「風評被害を極めて受けにくい国内の土地を選定して建設すべきだ」との文書を取りまとめ、国に提出することを決めた。(略)
 出席者によると、会合では「誰もが廃棄物を受け入れたくないと思っている」「自治体に判断を求めるという国の考え方が根本的に間違っている」などの意見が出て、受け入れを容認する発言はなかった。
 また、複数の出席者が「自民党政権交代した。民主党政権閣議決定を変えてもらいたい」と発言し、福島第一原発周辺や無人島での処分を求めたという。

http://sankei.jp.msn.com/region/news/130725/gnm13072502130000-n1.htm 指定廃棄物の処分場 「受け入れ町村ない」 群馬県町村会 - MSN産経ニュース
県町村会は24日、前橋市の県市町村会館で意見交換会を開き、「最終処分場建設を受け入れる町村はない」と結論づけた。(略)
最終処分場選定をめぐっては、県市長会も22日に意見交換を行っており、今後市長会としての意見をまとめ、国に要望していくとしている。

http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW1307251000001.html 朝日新聞デジタル:指定廃棄物の最終処分場、各県処理に反対 - 群馬 - 地域
意見書では候補地に「風評被害を極めて受けにくい国内の土地」を挙げ、暗に福島県内での処理を求めている。(略)
首長らが意見を述べ、その中で、「どこかが犠牲になるとすれば、福島県にお願いするしかない」などの意見が出た。各町村とも「すでに除染や風評被害を被っている」「水源や観光地がある」などと受け入れを拒否。「候補地選びを市町村に任せるのは、国の責任逃れだ」と国を批判する意見

http://mainichi.jp/area/gunma/news/20130801ddlk10040157000c.html 東日本大震災:福島第1原発事故 最終処分場建設 知事が市町村と対話継続 /群馬− 毎日jp(毎日新聞)
大沢正明知事は31日の記者会見で「まだ議論の途についたところ」と述べ、引き続き対話を重ねる方針を示した。
 また「県が傍観的になる気はない。市町村と一緒になって国に働きかける必要があり、国からどのような対案が出てくるか、見極めないと進まない」とも語った。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20130801/CK2013080102000197.html 東京新聞:指定廃棄物処分場で環境副大臣 県内設置 重ねて求める:群馬(TOKYO Web)
指定廃棄物について井上氏は「(発生した)県ごとに処理するのが合理的。この方針でお願いしたい」と強調、文書を近く町村会に送る。