行方市は、小水力発電の実験中。理由が?

今朝のラジオで知ったのですが、行方市で小水力発電の実験をしているそうです。
なかなか先進的だなと思ってなんとなく検索していたたところ、ブログのネタになったので記事にしておきます。


該当する新聞記事はこちらです。

http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13571348220592 電力を「地産地消」 行方市が小水力発電実験 :茨城新聞ニュース
同市西蓮寺の新田川上流。幅2メートル弱の用水路に仕切り板が設けられ、たまった水が流れる勢いで出力300ワット時の発電機を動かしている。
調査を担うシーベルインターナショナル(東京)の担当者によると、冬場は流量が少ないが、農繁期なら100ワット時超の発電が見込まれるという。(略)
同社はこれまで、国内外で小水力発電に取り組んできたが、今回の実験地は最も落差の小さい場所だという。傾斜が緩やかなため、水のたまる範囲がより上流まで広がることも判明。実際の稼働に向け担当者は「水田の排水能力への影響も考慮し、方法を探る必要がある」と話す。


えーと。
「100ワット時超」ということのは、(単純には)100ワットの白熱電灯を1つ2つ点灯できるだけということ????
そもそも企業が行うべきであろう実験を、なんで税金でやっているの???? 見返りは?
しかも排水能力に影響があるというは、豪雨の際には氾濫するかもしれないということですよね。



さらに検索していたら、以下の記事も見つかりました

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1420121002hlac.html シーベルインターナショナル、茨城・行方市から小水力発電の実証実験を受託:日刊工業新聞
受注額は2005万5000円。
 電力供給能力は一基300ワット時。設置する河川は幅1・5メートルほどの農業用水路。計測結果は今後の行方市の再生エネルギー施策の参考とする。当面の実証実験期間は契約を結んだ2012年6月から13年3月まで。

http://mainichi.jp/feature/news/20121228ddlk10040096000c.html ふるさとのエネルギー:茨城県行方市・小水力発電 水質浄化と組み合わせ /群馬− 毎日jp(毎日新聞)
−−どうして小水力発電なのですか?
 行方市は県の調査で風力発電は厳しいとされました。また、太陽光は既に各地で行われています。市の特性を生かすエネルギー源を検討し、小さい河川が多数あることから水力が浮上しました。ただ、市内は平地が多く、一般河川は高低差がないため位置エネルギーも小さいことから、流量の確保できる農業用水路に着目しました。
 −−実証実験を行って、わかったことは?
 有効落差が1メートル40センチしかないため、水量が確保できても、実用的な電力を生み出すのは厳しいようです。出力300ワットの発電機を設置していて、条件の良い時で180ワット時程度です。(略)
農業用水のため、秋から冬にかけては水量が減少し、ほとんど発電できない状態になることもあるという。市は13年3月末まで実証実験を行い、市の新エネルギービジョン(仮称)に反映させる。


うーむ。
代替電源としての実験かと思ったのですが、行方市では発電量が少な過ぎて、ものすごく限定された用途に使うしかないみたいですね。
もちろん、発電機を10台ならべれば発電力も10倍ですが、発電機を作る資源の無駄づかいでしょう。
(なお、小水力発電自体は、設置場所さえ良ければ実用的に使える技術のようです)


水力発電に不向きであることは最初からわかっていたから300W 程度の発電機しか置けなかったのでしょうし、冬場に水量が減ることも地域の人には常識でしょう。

行政の担当者も、それを認識することは十分に可能だっただろうに、何故、やっているのかと思って、行方市のウェブササイトなどを見ていたら、こんなのが、でてきました。

http://www.kaigiroku.net/kensaku/namegata/namegata.html 行方市会議録検索システム
【 平成24年  6月 定例会(第2回)-06月07日−02号 】
P.60 ◎ 市長公室長(関野嘉弘君)
本市では、平成23年度に策定いたしました行方市総合計画後期基本計画を受けて、新しいエネルギーの利用を検討するため、平成24年度補助事業の緊急雇用創出事業として、持続性可能エネルギー地域システム構築事業に取り組み、特に再生可能なエネルギーの活用を念頭に置き、小水力や太陽光を利用した発電等について調査を進めております。

http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/syoukou/rosei/kikinjyoukyou/kikinkeikaku20121031.pdf


もちろん、これだけが理由ではないでしょうが、無関係とも思えません。(雇用した研究者と受託した企業の関係とかも。。。)
今になって急に新聞記事になったのも、(未定のようですが)平成25年度の緊急雇用創出事業を睨んでのことのような気もします。


再生可能エネルギーにも、利権はいっぱい付いて回って居そうです。



関連 URL
http://www.seabell-i.com/ シーベルインターナショナル
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2013/01/20130103s01.htm 河北新報 コルネット 社説 小水力発電/東北の優位性生かし推進を