「市長挨拶23年8月」 不安だけが問題なのか

常総市長の挨拶文が市のウェブサイトに公開されていました。

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国からは明確な安全基準が示されていない状況の中、まず、市では空間線量が毎時0.19マイクロシーベルト(年間1ミリシーベルト)を超える施設等について、その低減策の具体的な実施方法や優先順位について検討し、実施することにいたしました。

0.19μSv/h で年間1ミリシーベルトというのは、屋外8時間、屋内16時間(低減係数0.4)ということなのでしょう。
( 0.19×8時間 + 0.19×16時間×0.4 = 998マイクロ ≒ 1ミリ)
千葉県野田市が独自に定めた基準と同様ですし、妥当な線かなと思います。
1ヶ月前に決めていれば大きく新聞記事に取り上げられたでしょうに残念なことでした。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20110623-OYT8T00703.htm 被曝限度、千葉・野田市が独自基準 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
ちなみに、川口市は年間1.64ミリを基準としています。http://www.city.kawaguchi.lg.jp/kbn/01050169/01050169.html 川口市

 比較的高い測定値の巣立山公園や幼児施設等を試行的な措置として専門家の助言を求めながら、低減策を実施し、その実施結果を踏まえ、他の施設等について低減策を検討してまいります。
 今回の低減策は、毎時0.19マイクロシーベルトを目安(判断基準)として実施しますが、この数値を超えているから実施するということではなく、高い数値を少しでも低くすることにより、ご父兄のみなさんの不安を少しでも取り除くことができればとの想いから実施する措置であることをご理解いただきたいと思います。

ここが良く分かりません。
0.19という数字には意味は無く、放射線量の高い施設を(多数ではなく)幾つかをピックアップするのに0.19という数字が丁度良かったということなのでしょうか。
また、「不安」の解消のための「想い」であって、「健康被害の防止」のためでは無いとしているようなのも気になります。

また、水海道小学校の側溝の土砂及びプール泥土から高い数値の放射性セシウムが検出されましたが、これらの土砂や泥土はドラム缶に収容し市の施設で保管することにいたしました。
なお、この件については、すでに保護者会を開催し、今回のプール清掃で健康に被害が及ぶことはないことをご説明しております。

健康に害が無いと断定してしまってよいのでしょうか。
可能性は非常に低いとか、無視できるレベルとかなら理解できますが、そのように断言できるだけの知見は無いと思うのですが。

原発事故による放射線汚染についての不安は尽きないですが、情報を把握しながら適切な対応をしていきたいと思います。市民の皆様におかれましては、冷静な対応をお願いいたします。

やはり、問題は「不安」であって、健康等では無いという認識のようです。
そう言わざるを得ない立場なのかもしれませんが、先の記事で行った単純な試算による死者数を考えると、看過することも出来ないと思います(過大に心配する必要もありませんが)。


「健康に被害は無い」と言うよりも、「被害が起きたとしても○○○な程度です。そしてそれへの対策として、健康診断の項目を増やすことで、市民全体の健康の向上を目指します」としたほうが、精神面を含め有効なのではないでしょうか。


なお、施設に対策を講じるのであれば、費用や内容を出来る限りウェブ上で公開し、他の自治体や、市民が自宅への対策をする際の参考にできるようにしていただきたく思います。


ついでですので、思い付きを幾つか。

  • 水道水の放射線量の測定は中止し、代わりに地下水もしくは1週間分の給食の事後測定を行う。今後、常総市の水道水からだけ放射性物質が検出されることは無いと思われます。すでに測定する枠を予約しているのであれば、その分で、他のものを測定したほうが良いのではないかと思います(水道の検査を行っているのは、水道事業者は週一で浄水場などの検査をするという厚生労働省から、指示にもとづくもののようなので、削除しました)
  • シルバー人材センター等で「放射能除去作業パック」というメニューをつくる。内容は、市民の自宅に訪問して、屋根・雨どい等の高圧洗浄機での洗浄、雨どい下や側溝、水たまり部の土の除去、芝生はがしなどを有料で請け負うというもの。(必要なら、一部の費用は市が負担)。放射線量測定機が使えるようであれば、作業前・作業後で屋外・屋内の線量を測定すれば、なおよし。