電力、足りるのかな?

「気候ネットワーク」という団体が、原発をとめても夏の電力は足りるという試算を出したそうです。

http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011070101000973.html 原発なくても電力足ります 環境保護団体が試算 - 47NEWS(よんななニュース)
環境保護団体「気候ネットワーク」は1日、福島第1原発事故の影響で国内の全原発が停止しても、適切な節電をすれば夏場のピーク需要を乗り切ることができるとの試算を発表した。天然ガス火力の増加に伴う家庭負担増も低く抑えることができるとしている。

こちらから詳細な内容を見ることが出来ます。
http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2011-07-01.html 気候ネットワーク | 意見・プレスリリース |


素人ながら、そこにある表を見ると、関西電力は、去年(猛暑)の需要量3095万kwに対して、今年の供給力は 3077万kw (原発停止、揚水発電あり)しかなく、どうみても足らないと思うのですが。
(追記 それなのに大阪府知事が問題ないと考える理由は何なんでしょう?エアコンを数時間も止めさせたら確実に死者がでますよ。 それに、東北電力は、去年の需要1,557 万kwに対して 1,381万kwしか発電量がないです。巨大な被災地域があるとはいえ、さすがに無理でしょう)
また、東京電力の去年の需要5999万kwに対して、供給6060万kw というのも、きつそうです。


この団体には、去年並みの猛暑にならないという確信でもあるのでしょうか。


節電すれば大丈夫というのも、「節電しないと停電になる」という恐れがあるからこそ、節電に協力しているのであって、電力が足りているのなら、さほど節電の動きも起こらなかったのではないでしょうか。
(少なくとも企業は、従業員に多大な負担をかける、休日の変更は出来なかったはずです)


「表2.2 大型火力の設備利用率」 にある利用率も、夜間や定期点検で停止している分も含めた稼働率になっているようにも思えます。(100% には絶対にならない)


ニュース記事のタイトルだけをみて「ほーら、やっぱり足りているジャン」という反応が多そうですが、ちょっと疑問が残ります。


追記

池田信夫さんが、端的に表現したツイートをされてましたので、転載させていただきます。

http://twitter.com/#!/ikedanob/status/87046985928019969
@ikedanob 池田信夫
電力会社の節電要請が過大だという人がいるが、万が一のときには大停電するんだから公共インフラは「安全側にみる」のが鉄則。原発では、あれだけ安全マージンを取っても失敗した。それを批判する人々が、電力見通しは安全マージンなしでいいと主張するのはダブルスタンダードだ。

http://twitter.com/#!/ikedanob/status/87056908061650944
@ikedanob 池田信夫
本当は節電なんかしなくても、定期検査の終わった原発を稼働させれば電力危機なんてなくなる。その事実を認めたくないために「電力は足りている」と主張する人々は、願望に合わせて数字を捏造するカルト。

カルトとは言い過ぎのような気がします。でも、自分に都合の良い数字のみ使おうとする点では、原発を推進した人も、下記のような記事をタイトルのみで拡散した人も、やっていることは同じに思えます。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/110629/bsd1106292047012-n1.htm 東電の「でんき予報」 使用率100%超えたら即停電? (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
http://www.mynewsjapan.com/reports/1453 東電、電力使用率を情報操作 恣意的に数値を高く見せる:MyNewsJapan

追記

参考サイト
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20110704/106784/?P=1原発なしで電力は賄える」は本当か:資源・エネルギー:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ−
http://twitpic.com/5op7xc 東電がついに白状。この夏電気は余ってる! on Twitpic