選挙カー自粛を申し合わせた方々には投票しません

報道とこちらのブログによると、常総市では、一部の会派を除き、選挙カーの使用を自粛するそうです。
全く理解できませんので、その理由を書いておくとともに、選挙カーの使用自粛を申し合わせた方々、および会派入りすると思われる方々には投票しないことを、ここに宣言いたします

選挙カーを自粛して浮いたお金は、何に使われるの?

浮いたお金の使い道については、何も明らかになっていません。
経費を削減しただけでは、常総市の財政が助かるだけで、被災者に使われるわけでは有りません。

公費請求を自粛するだけで十分では?

被災者援助(常総市の復旧?)をしたいのであれば、選挙カーの運営費は候補者の自己負担とし、市に請求しない方法もあります。土浦市龍ヶ崎市は、そのようにしています(新聞記事による)。
なぜ、常総市の議員は選挙カーの使用自粛を選んだのでしょう。

選挙カーの自粛は、新人候補者が不利になると思われるが、配慮のかけらも無い

こちらの市議会議員の方のブログをみると、選挙カーの目的には、立会演説のときの看板代わりというのがあるようです。
現職議員や、地盤や組織を持つ候補者にとっては、選挙カーがなくても、さほど影響が無いのかもしれません。でも、新人議員にとっては名前を知ってもらう大きな手段を失うことになるのではないでしょうか。

選挙カーが無くても、街頭演説はできます。
でも、実は選挙カーが無いと、できなくて困ることがあるのです。
それは自分の名前を大書した看板を立てること。公職選挙法によって、選挙期間中(およびその6ヶ月前の期間)には、候補者の名前を書いたノボリ旗などを揚げることは許されません。選挙カーの看板にしか許されていない特権です。
だから選挙カーを仕立てないと、街頭演説をしていても「あれは誰だ?」ってなことになってしまう恐れがあるのです。そう、街頭演説に看板が欲しい、という候補者の事情があるのです。

そういうことを考えると、こちらの県会議員の方のブログにあるような静岡県の選挙での自粛のやり方は、納得できますね。

今日、県庁で各会派代表者会議がありまして、二つの大きなことを決めました。
1.東北関東大震災に対し、議員一人10万円の寄付をする。
2.選挙カーの運行について、「時間短縮」と「流し連呼の自粛」をする。
まず1点目については、政治家は「寄付の禁止」という項目があり、通常は厳しく取り締まられるのですが、この点は議会として適正に処理したうえで実施するとのことです。(略)
2点目について、県議会の全ての会派で合意ができたと言うことは、非常にいいことだと思います。

今までは、何のために選挙カーが必要だったのか

選挙カーはスピーカーがうるさい、渋滞になるなど、決して評判の良いものではありませんでした。
それにもかかわらず今まで選挙カーが使われていたのは、「選挙カーは候補者の考えを伝える有効な手段」とかいう理由付けだったと思います。
それを勝手に放棄するのは、有権者の「候補者の考えを知る」権利をないがしろにした、神聖(笑)な選挙を馬鹿にする、おろかな行為です。(今後、100年間、自粛するというなら許しますが)

自粛をしたことを知っている有権者は、どれだけの人数?

選挙のルールを変えたのだから、自粛を決めた議員(会派)は、自己の負担と責任で、速やかにその旨を全ての有権者に知らせるべきだと思いますが、そのような動きは無さそうです。
その点も、自粛した議員(会派)に投票しない理由となります。

自粛の内容

下記のブログによれば、本当に単純に「選挙カーは使用しない」ということのようです。
しかも浮いたお金の使い道は書かれていない
選挙カーの運営費というのは、ガソリン代等の補填であって、実際に使用しなければ、運営費は確定しないはず。つまり、浮いたお金を復興費として市外・市内に使うのではなく、単に市の支出を抑えることになるだけでしょう。
こりゃ、駄目だわ。
復興を願っているなら自分のポケットマネーから出しなさいって。経費として補填されるお金を貰わないのが尊いことだと思えるのは、これまでお金を貰うことに疑問を持たず、当然のことだと思っていたからでしょう?
だいたい、自粛することを「申し合わせる」って何? 小学生が友達と手をつないでトイレに行くような格好悪さ。全会派が合意できる内容を公開の場で決めなきゃ駄目でしょう。
おまけに「被災状況や被害を受けた方々の心情を考慮する」??? 被災者は選挙カーの利用を止めて欲しいと思っているのですか? 善意で解釈しても、「被災者のことを考えろ!!!」とかいう苦情が来ることを恐れたからでしょうが、そういう苦情に対応する気構えすらないのでしょうか。
というわけで、今回の選挙においては選挙カーの自粛を申し合わせた会派の方々およびその関係者(当選後は会派入りすると思われる方)には投票しないこととしました。

http://renaissance.de-blog.jp/fuchan/2011/04/post_e27b.html 常総ルネサンスへの道: 常総市市議会議員有志一同からの手紙
            選挙カーの使用自粛について
   このことについて,常総市議会議員有志一同は今回の市議会議員選挙にお
   いて別紙の通り選挙カーの使用自粛を申し合わせました。ついては,貴殿に
   おいてもこの趣旨をご理解いただきたくお知らせいたします。

そのブログにある写真が別紙と思われるので、文字入力してみました。

選挙カーの使用自粛について
私たち常総市議会議員有志一同は、東北地方太平洋沖地震による被災状況や被害を受けた方々の心情を考慮するとともに選挙経費を削減し災害復興経費に充てることを目的として、市議会議員選挙における選挙カーの使用自粛を申し合わせしました。
常総市議会議員有志一同(友和会・常心会・公明党・政真会・市民クラブ・明友会)

各会派の議員名は、こちらをご覧ください
ただし会派名は全ては一致しておらず、「有志一同」がどの議員なのか明確では有りません。このような不透明さも投票しない理由です。新聞報道によると共産党と創政会に属する議員を除いた方々が自粛を申し合わせたとのことです。

選挙カーはうるさいから自粛するのは良いこと」みたいな話について

今、自粛および不謹慎指摘ムードが広がっています。
「テレビのアニメ放映は自粛しろ」、「宴会は自粛しろ」、「深夜のコンビニ営業は(節電のため)自粛しろ」、「パチンコ屋は休業しろ」etc 。
でも、「それ、本当に必要ですか?(by内田恭子@AC)」。
選挙カーがうるさく感じるのは確かですし、好きか嫌いかといえば、嫌いです。
しかし、「嫌いだから、この震災を利用して中止させる」というのが正しいことでしょうか?
その自粛は必要なのか、自粛した効果(プラス、マイナス)は何なのかを、漠然としたイメージではなく、ちゃんと考える必要があると思います。

茨城県内の選挙カー自粛の状況を分かりやすく表にされているサイト

http://joso-ombudsman.seesaa.net/article/193888373.html 選挙カー自粛の波(2011/4/2): 常総市オンブズマン

選挙カーを利用している候補者(筆者が見聞きした方のみ)

石川栄子
堀越てる子(堀越輝子? 大好きいばらき県民会議・ネットワーカー常総市?)(当初、堀越道男と書きましたが勘違いだったようです)
風野芳之
金子晃久
しげた信三
小林剛
注。コメント欄で、選挙カーを利用している候補者をお教えいただけました。そちらもご覧ください。

(参考)取手市議会議員の復興支援金のニュース モウスコシ カンガエマショウ

一読しただけでは意味が分かりませんでしたが、どうやら減額すべき報酬を減額せず、その分を「議員からの義援金です」と称して被災地に贈ったということのようです。しかも議会の正規な議決も無いのにです。
検討する時間が無かったのでしょうが、誰かが指摘しなければ、そのままになっていたことでしょう。
義援金だから、被災者のためだからという名目であったとしても、全てが正しいことでは無いことは言うまでもありません。

http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000001104060001 asahi.com:「自腹切らず?」取手市議会が義援金-マイタウン茨城
取手市議会の正副議長を除く23議員が、災害時相互応援協定を結ぶ福島県南相馬市に贈った義援金計69万円(1議員3万円)について、人事院勧告に準じ減額する方針だった昨年の期末手当を減額せず、その分を義援金に充てていたことが5日わかった。市民からは「自腹を切らない義援金?」と疑問の声が上がっている。岡部正敬議長は「今後の報酬を一部減額する方向で各議員に呼びかけたい」と話している。
 一般議員の期末手当が、人事院勧告より3万円余り多かったことから、4月以降の議員報酬か期末手当を減額支給する条例改正案を議員提案して対応する予定だった。
だが、震災への対応で3月定例会の閉会が急きょ18日から14日に繰り上がったため、提案できなかったという。
 このため、閉会直後、議員の1人が、減額すべき分の3万円を各議員から集めて義援金として贈ることを議場で提案し、その場で了承されたという。