唯一の正解があるという幻想

数日前の朝日新聞に共感できるコラムがあったので、クリップしておきます。


以下はテキトーな感想。
東電原発事故によって、専門家でもとんでもない間違えをおかすことが明らかになったし、そういう専門家を強く批判しているのに、「どこかには正解があって、誰かはそれを知っていて、自分には判別できる能力がある」という前提で考えるのは矛盾しているんじゃないかな。


それと、正しいことは分からなくても、「○○は間違っている」ということは明確に言える場合もある。
それなのに、それを言うと「本当のことは誰にもわかっていないのだから、間違いかどうかも言えない」などと返されてしまう。


「本当のことは誰にも分からない」のと、「○○さんは信用できる」というのも両立しないと思うのだけど、必ずしもそうはならないみたい。


考え方は色々あって構わないのだけど、カルト化してしまったり陰謀論に巻き込まれないように気をつけて欲しいですね。



追記 関連しそうな話
http://mojix.org/2012/12/28/seikai-shugi 日本を覆う「正解主義」という宗教みたいなもの - モジログ

2つの新聞の原発アンケート結果

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG08030_Y2A201C1CC1000/?nbm=DGXNASDG0802O_Y2A201C1MM8000 原発「必要」が7割超(都知事選・世論調査)  :日本経済新聞
原子力発電の在り方について尋ねたところ、「電力供給のために今後も必要」が13%、「脱原発を目指すべきだが、当面は必要」が61%だった。

日経記事の画像がありましたが、調査数も手法も書いていないのですね。
https://twitter.com/bilderberg54/status/277664974812368897/photo/1 Twitter / bilderberg54: 日経が質問項目を操作して、原発推進を水増し! htt ...


2つの新聞記事の結果を見て、原発についての世論は、
原発の再稼働すら反対  ← 2割
●(一部の)再稼働は容認するが、10年程度で全て停止 ← 3〜4割
●(一部の)再稼働を容認し、寿命(40〜60年)で停止(新規原発は作らない) ← 2〜3割
原発は維持し、新規建設もしたい ← 1割
という割合なのかなと想像しています。


そのうえで、100年後にも(今の形式の)原発を使い続けるべきだと考えている人は(まともな人には)居ないのだから、時間軸をはっきり聞かないと意味のある調査結果にはならないのではないかなとも思った。

各政党の原発政策も曖昧なものが多いけど、新聞社等も曖昧に済ませたいみたいですよね。



なお、茨城県民だけを対象に、東海第二原発の再稼働の是非を聞いたアンケートでは、全く別の結果になっています。

http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13549833877356 県民世論調査 再稼働「反対」63%:茨城新聞ニュース
東海第2原発の再稼働に「反対」と答えた人が回答者全体の63・5%に上り、「賛成」の22・4%を上回ったことが8日分かった。原発依存から再生可能エネルギーなどに移行する「脱原発」方針への「賛成」も60・8%に上り、「反対」は26・6%にとどまった。


他の原発の再稼働に賛成するかどうかも聞いて、東海第二原発の賛否との関連も調べると面白い結果が出たかもしれませんね。
また、学生は賛否が拮抗しているというのも興味深いですね。


原発全体としては再稼働を容認するというのが今の世論だと思いますが、地元にある個別の原発については別の考えになる人も多いのでしょう。
「総論賛成、各論反対」という、良くある構図です


私も再稼働は容認派ですが、東海第二原発つについては、以前のブログ記事のどこかで書いたように、「経済的に損だから」再稼働に否定的です。
次期政権は、東海第二原発廃炉を早急に表明することによって、他の原発の再稼働を進めやすくしたら良いのではないかなと思います。
敦賀原発活断層が認定され廃炉の方向性が強くなりました。これによって原子力規制委員会の信頼性は上がり、今後、他の原発では活断層は無いといいう判断を下すことで再稼働を進めることができるようにもとなったわけです。福井県日本原子力発電にとっては大変なことですし、国家賠償訴訟によって税金で補償することになるのでしょうから国民にとっても大きな損失ですが、原発全体としては必ずしも悪い話にはならないと思っています)