常総市の財政 市民の財政に対する認識

(この記事は7月7日に書きました)


先日、前回、「常総市の財政 市長の財政に対する認識」という記事を書きました。


今度は、市民がどのように見ているのかを書いてみます。
もちろん世論調査などをするわけではなく、市民による「市民協働」で作成されたという「市民協働スタートアップ」から引用します。
このスタートブックは、常総市と市民との協働で作成したとのことですが、パブリックコメントの回答をみると、常総市側の人間は、半官半民の社会福祉協議会からの1名だけだそうです。
したがって、スタートブックの内容は市民の認識を示していると解釈して良いと思います。



人口は大きく減り、少子高齢化が進み、社会保障費は(おそろしいほど)急増するとしています。


支出の急増は避けられない状況にもかかわらず、市の収入は減り、財源が足らなくなくるとしています。

その結果、「このままだと住民サービスが低下する」としています。



まことに妥当な認識です。市長の認識とはかなり違っているように感じます。




以下は、ちょっと、別の話です。
このグラフの意味は、ちょっとわかりにくいと思います。(私もしばらく悩んだ)


これは、国から入ってくる地方交付税のことをいっています。
合併前(平成16年度)、国は水海道市へは年間16億円、石下町には年間15億円を交付していました。
合併しても、合計額が支給され続けるのであれば良いのでしょうが、「自治体の規模が大きくなれば行政の効率化もはかられ、歳出も減る」ということで合計金額よりも減らされてしまいます(常総市の場合、年間6億円相当?)。


もちろん、急に地方交付税を減らされてしまっては立ち行かなくなるので、10年間は減らさないとしています。
その意図としては、その10年間の間に庁舎や職員、広域事務組合などを統合して、効率よい自治体にかえることを期待しているのだろうと思います。
そのための費用として「市町村の合併に伴い特に必要となる事業」(ほかに、合併後の地域振興や旧地域間の格差是正などという説明もあり)について起債できるのが合併特例債のようです。


つまり、合併特例債で行う事業というのは、減らされてしまう地方交付税にも対応できる自治体にするために行うべきものなのだろうと思います。


合併特例債防災無線などの設置に使うという話もあるようですが、石下地区には防災放送設備がすでにあるそうですから、水海道地区に新たに設置するとなると、無線になるとはいえ、石下地区のひとの税金を、水海道地区のために使うということになるのてはないかなと思います。)


合併して常総市が誕生したのは平成17年です。
したがって、地方交付税が減り始めるのは4年後です。
そして、合併特例債の返済もしなくてはなりません(利息を含めて)。
「使えるお金は使う」というのでは、次の次の市長の代には、どうにもならないとこになっているのではないかなと思います。


次の市長は、誰がなったとしても、市民にはかなり厳しい行政になるはずです。もし、そうならない(と言っている)のなら、それは破綻への道を歩んでいる可能性があります。



常総市とは無関係の自治体の労組が作成した、合併による地方交付税の予測をしているグラフがありましたので、リンクしておきます。
(合併しないでいたほうが、受け取れる地方交付税の総額は多いというのは目からうろこでした。減らされる地方交付税以上に、自治体の効率化による歳出削減ができるという見込みだったんでしょうが。すでに合併7年目の常総市は、そうなっているのでしょうか)

http://www.jichiro.gr.jp/jichiken/report/rep_tokushima29/jichiken/1/1_34/1_34_06.PDF
出典 http://www.jichiro.gr.jp/jichiken/report/rep_tokushima29/jichiken/1/1_34.htm 合併特例債はあくまで借金 〜普通交付税措置に釣られると借金地獄に拍車をかける〜