「市民協働スタートブック」のパブリックコメントを募集中です

常総市では「市民協働スタートブック」のパブリックコメントを3月2日まで募集中です。
http://www.city.joso.lg.jp/joso/www/03569.html
http://www.city.joso.lg.jp/joso/www/03611.html


このスタートブックは、唐突に登場したように感じたのですが、どうやら常総市オンブズマンさんがブログで「市民協働マニュアル」として言及していたもののようです。該当する箇所を勝手に引用いたします(強調は筆者による)。

http://office-aoba01.seesaa.net/article/136483570.html まちづくり推進委員会(2009/12/24)
「第1回常総市市民協働のまちづくり推進委員会」が開催された。(略)
常総市では「常総市民協働のまちづくり推進条例」というものを定めている。
この条例は今年の4月に施行されたもので生まれたばかりである。
きちんとこの条例通り行われているか検証していく必要がある。
検証に当たってはマニュアルが必要である。
そのマニュアルを市役所内の(別の)委員会で作成するので,市民側の立場で本委員会でそのマニュアルの内容をチェックしてほしい

そう,「市民協働マニュアル」の内容チェックを行う委員会ということであった。

http://office-aoba01.seesaa.net/article/174160054.html まちづくり推進委員(2010/12/19)

http://office-aoba01.seesaa.net/article/228622590.html 2011年10月04日 00:00 常総市まちづくり推進委員会(1)
第1回委員会が開かれた後、ずっとこの委員会は開催されなかった。ずっと、ずっと。

そして、平成23年7月20日に、「市民協働のまちづくり推進委員会公募委員様」宛てに「常総市市民協働のまちづくり推進委員会について(通知)」が郵送されてきた。

そこには、次のように書かれている。

・平成22年7月頃に市民協働マニュアルを策定し審議頂く予定だったが策定が遅れ現在素案を作成中
・委員会を任期中である3月末日までに1回のみ開催した限りで、皆様の意見を十分に踏まえることができず申し訳ない。
・略儀ながら取り急ぎ書面にてお詫びする。
・どうか今後とも変わらぬ御指導の程よろしくお願いしたい。


その他の情報から、市民協働マニュアルに関わる全体の経緯をまとめると、次のようになります。

  1. 長谷川典子市長の基本目標である「市民協働」を実現するために、「常総市民協働のまちづくり推進条例(平成21年4月施行)」が市民の参加により作られた
  2. 市民協働の活動が、「常総市民協働のまちづくり推進条例」に沿っているかを検証するために用いる「市民協働マニュアル」を、「市民協働マニュアル策定委員会」が作成する。
  3. そのマニュアルの内容を「市民協働のまちづくり推進委員会」がチェックする

しかし、「市民協働のまちづくり推進委員会」は市民2人を公募したものの、実質的な会議は全く行われないまま第一期(平成21年度から平成23年3月まで)は終了してしまいました。
そして、それとは全く別に存在していた「市民協働マニュアル策定委員会(平成22年8月に初会議)」で策定した「市民協働マニュアル」が「市民協働スタートブック」ということのようです。(追記 市民協働スタートブックの他にマニュアル(ハウトゥ本)を作るようです)


「市民協働のまちづくり推進委員会」は現状でも市民の委員を代えた上で存在するはずなので「市民協働マニュアル」のチェックを行ったのでしょうが、いつ、どんな意見が出て、マニュアルには、どのように反映されているのでしょうか。
(追記 第一期の市民委員の任期は昨年の3月で切れ、あらたな市民委員の募集は昨年の7月になってからでした。市民協働マニュアルの素案の検討時期とみごとに合っていますね)


また、「市民協働のまちづくり推進委員会」の当初の予定では、「市民協働マニュアル」は平成22年7月ごろには内容の確定に至るとしていましたが、「市民協働マニュアル策定委員会」の第一回会議は平成22年8月です。「市民協働マニュアル策定委員会」の要綱の施行も平成22年8月24日です。
予定では素案の完成されている時期になっても、「市民協働マニュアル策定委員会」の会議も要綱も無かったわけで、たまたま計画が遅れてしまったというレベルではなさそうです。


ついでですが、意見募集のページには『市民の方を中心に「市民協働スタートブック」の策定作業を進め』とありますが、メンバーは公募ではなかったようです。また、要綱には委員について「第3条 委員会は,委員15人以内をもって組織する。 2 委員は,学識経験者,ボランティア活動の実践者,民間企業関係者,行政関係者等から構成する。」となっていますが、メンバーリストに行政関係者は見当たりません(学識経験者が誰なのかもわかりません)。市民協働というのは市民と行政の協力で行うものだと思いますが、行政関係者が居ないのは、おかしくないでしょうか。


さらに、会議録を公開していないというのは、スタートブックの策定自体が「市民協働」の精神とかけ離れているのではないでしょうか。

市民協働スタートブック(案)10ページ 協働の原則
4 協働で注意することは?
(略)
(5)公開の原則 協働相手の選定や事業内容について,透明性を確保し,情報の公開を行い,説明責任を果たしましょう。
(略)
(8)役割と責任の明確化 役割分担と責任を十分に協議し,文書化して明確にしましょう。


このスタートブックには市長の基本目標である「市民協働」のエッセンスが凝縮されているのだろうと思いますから、じっくり読んでみる価値はあると思います。
また、これまで常総市で「市民協働」として行われた事業が、このスタートブックに書かれていることに沿っているかどうかという観点で読むのもよさそうですね。


「市民協働まちづくり推進委員会」や「市民協働のまちづくり推進条例」については、以前にも取り上げていますので、よろしければ、そちらもご参照ください。
http://d.hatena.ne.jp/hyakubann/20110916#p1 まちづくり推進条例でも、情報公開を求められている


追記

議事録は、常総市オンブズマンさんが情報開示請求をし、ウェブにアップされました。
http://office-aoba01.seesaa.net/article/254082870.html
第14回議事録によると、平成23年9月末に、「市民協働まちづくり推進委員会」への「市民協働スタートブック」の途中経過報告をしたようですが、どのような指摘が出たのかはよく分かりません。