まちづくり推進条例でも、情報公開を求められている

条例による情報公開の要請

常総市には、市民協働のまちづくり推進条例という条例があります。
そこには、このように書かれています。

http://www.city.joso.lg.jp/reiki/reiki_honbun/ar25109011.html 常総市市民協働のまちづくり推進条例<市民協働課>
(市の役割)
第7条 市は,基本理念に基づき,市民,市民活動団体及び事業者の参加又は参画を得て,市民協働のまちづくりを推進するための施策を実施するよう努めるものとする。
2 市は,市民協働のまちづくりが活発に行われるための環境の整備等を図るよう努めるものとする。
3 市は,市民協働のまちづくりに資する情報を積極的に公表し,市民に対する説明責任を果たすものとする。

なお、「市民協働のまちづくり」という用語は、同じ条例で次のように定義しています。

(定義)
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 市民協働のまちづくり 市民,市民活動団体,事業者及び市がその自主的な行動のもとに,お互いに良きパートナーとして連携して協力し,それぞれが自らの経験,知識及び責任においてまちづくりに取り組むことをいう。


条例を読む限り、「市民討議会」などの情報を積極的に公表することは、条例で求められていると考えられます。
市側は、情報の公開とは、市役所等で閲覧できれば良く、必ずしもウェブサイトに載せておく必要は無いという考えなのかもしれませんが、一度、ウェブサイトに載せていた情報を削除する理由にはなりません。


この条例は、平成21年4月1日から施行されたもので、市民参加の策定委員会(市民協働のまちづくり推進条例策定委員会)で作られました。
「市民との協働による元気なまちづくり」を基本目標に掲げられている長谷川典子市長なのですから、市民からの要請には十分に応えていただきたいものです。
議会だより 第184号 平成 21 年6月 4 日発行http://www.city.joso.lg.jp/joso/www/documents/02096.pdf (誤字が。。。。)

第10回常総市補助金等検討委員会
→市民協働課を作る前段として,市民が委員である策定委員会が主体となって,市民が条例の原案を策定した,市民が作った初めての条例である市民協働のまちづくり推進条例というものを3月議会に提案し,可決された。

推進委員会の委員の公募

常総市のウェブサイトを見ていたところ、まちづくり推進委員会の委員の公募を行っていました。(既に終了しています)
http://www.city.joso.lg.jp/joso/www/02822.html 市民協働のまちづくり推進委員を募集します


そこには公募の対象者として「前回公募委員はご遠慮ください」という条件を付けています。
しかし条例には前回の公募委員を除外するようなことは書かれていません(3期まで努められるという条項はある)。


この条例は市民の策定委員によって作られものなのに、行政側で勝手に制限をつけることには問題があります。
そもそも前回の市民の公募による委員は2名だったそうですから、特定の対象者を想定した担当課の独自判断によるものなのではないでしょうか。市民協働という言葉にはふさわしくないと思います。

まちづくり推進委員会の内容は、ウェブサイトには公表されていない

まちづくり推進委員会は、「情報を積極的に公表し,市民に対する説明責任を果たす」ことを求めている条例に基づいて作られているのですが、その委員会の情報はウェブサイトには見当たりません。
委員の名簿はもちんのこと、会議は何回やったのか、議題は何で結果はどうなったのか、全く分かりません。これから何をやるのかもわかりません(他で作った市民協働マニュアルを承認するだけ?)
市役所に行けば資料を出してくれるのでしょうが、それでは何のために予算を付けてウェブサイトを運営しているのか、説明できなくなってしまいます。
常総市長の基本目標に密接した委員会なのですから、ウェブサイトで詳細な情報公開を行っていただきたく思います。


なお、施行規則では規則の規定による公表の方法として「ホームページ」を挙げています。それならば条例に基づく行為についてもウェブサイトでの公表を予定しているのではないでしょうか。

http://www.city.joso.lg.jp/reiki/reiki_honbun/r251RG00000902.html
常総市市民協働のまちづくり推進条例施行規則
10条 この規則の規定による公表は,次に掲げる方法のうちの全部又は一部の方法により行うものとする。この場合において,公表しようとする内容が相当量に及ぶときは,公表しようとする内容全体を閲覧することができる旨を明示した上でその一部を省略して公表することができる。
(1) 広報紙への掲載
(2) 市ホームページへの掲載
(3) 常総市公告式条例(昭和39年条例第33号)第2条第2項の掲示場への掲示
(4) 前3号に掲げるもののほか,市長が適当と認める方法

後日追記

http://www.city.joso.lg.jp/reiki/reiki_honbun/r251RG00000902.html#e000000113 常総市市民協働のまちづくり推進条例施行規則
第8条 附属機関等の会議は,公開するものとする。(以下略)2 附属機関等は,会議を開催しようとするときは,あらかじめ次に掲げる事項を公表するものとする。(以下略)
(1) 開催の日時及び場所
(2) 内容及び傍聴の手続
(3) 前2号に掲げるもののほか,必要な事項
3 附属機関等の会議は,会議録を作成し,これを一般の閲覧に供するものとする。

市民協働マニュアルは未作成

まちづくり推進委員会は設置して2年弱が経過しています。しかし市民協働マニュアルは、いまだ未策定です。( http://www.city.joso.lg.jp/joso/www/02918.html
マニュアルが無ければ、市の施策や各種団体の事業が、市(市長)の考える市民協働に沿っているものなのかどうか、誰も判断できないのではないでしょうか。
そのように考えると、この委員会で一番最初に行う事案は、マニュアルの作成だったと思います。逆に言うとマニュアルを作らなかったおかげで、市民協働という名の下に、色んな事業を行えたということなのかもしれません。
委員会は、これまでに何か成果をあげているののでしょうか。

委員の居ない委員会?

この条例では委員の任期を、第12条5項で「委員の任期は,委嘱又は任命を受けた日の属する年度の翌年度の末日までとする。ただし,補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。」としています。
したがって前任の委員は今年の3月末で任期切れになっています。半年以上、委員の居ないままだったということになります。(3月11日に震災がありましたが、公募して任命するのに20日間では足らないでしょう)


この委員会の任務は、条例第12条2項で以下のように定められています

(1) 市民協働のまちづくりの推進に関し,市長の諮問に応じて審議し,答申すること。
(2) 市民協働のまちづくりに関し,必要に応じて市の施策等を調査し,市長に意見を述べること。

市長は、市民などの答申・意見を不要だと認識されていたのでしょうか。
まちづくり推進委員会は、市民による策定委員会で作られた条例によるものです。
それが稼動していないとしたら、市の掲げる目標と乖離しているのではないでしょうか。