買った食券の払い戻しはできません

カレーの食券を買ったあとで、「うどんのほうが良かったな」と気分が変わったとき、どうしますか?


払い戻しを受け付けないお店だとしたら、選択肢は、以下の4つになるかと思います。

  1. 我慢してカレーを食べる(カレー代は当然払う)
  2. うどんの食券を追加して買って、うどんを食べる(カレー代は払ったまま)
  3. カレーも、うどんも食べず、おなかを空かしたままで過ごす(カレー代は払ったまま)
  4. タイムマシンで、カレーの食券を買う前の世界に戻る


原発廃棄物処理廃炉のコストが高額であることを理由にして、原発の停止や再稼動の中止を求めたり、再生可能エネルギーの高コストを是認する意見があるようです。
しかし、残念ながらタイムマシンは無いし、払い戻しもできません。


また、下記の記事にある「1キロワット時16〜20円」というコストの内訳は分かりませんが、建設費、廃炉費、処理費がかなりの部分を占めていると思います。
それらのお金は、既に支払ってしまったり、今後(原発を破棄しても)支払わねばならないお金なのですから、買ってしまったカレーの食券です。
新規の原発を作るときの判断には使えますが、既に作られている原発をどうするかには使えません。
経済学でいうところの、サンクコストの話になると思います。

http://www.shimbun.denki.or.jp/news/main/20110823_02.html 政府が原子力コスト試算案 1キロワット時16〜20円 - 主要ニュース - ニュース - 電気新聞
試算案では、地球環境産業技術研究機構(RITE)の秋元圭吾氏や立命館大の大島堅一教授がまとめた試算を活用。バックエンド費用が74兆円との前提を置くと、発電費用、バックエンド費用などの合計は秋元氏の試算の場合で10〜15円程度、大島教授の試算の場合で約13円になるとしている。そこに立地費用と技術開発補助金の約2円を加算。賠償などのリスク費用を3円強と想定し、すべて足し合わせた場合の原子力コストは15.8〜20.2円になるとの結論を導き出している。