何故、事故原発の近県の食材の摂取を控えるよう言わなかったのだろう

武田教授は早くから、産地(福島、茨城、宮城、栃木など)によっては、農作物や魚介類、水道水の摂取を控えるように訴えられておられました。(下記の武田教授のブログをお読みください)
誠にもっともな話で、一般住民が被曝を避ける最も効果的で確実な方法は飲食物からの摂取を減らすことでしょう。
それなのに当該ブログでは言及をしていないのは何故なのでしょうか。
当該ブログで被曝量の計算を始められたのは、4月29日ごろの記事からと思います。
こちらのページによれば、5月2日の段階でも、2例のホウレンソウのヨウ素が100ベクレル/キログラム以上になっています。収穫場所によるばらつきや検出限界を考えれば、(線量は低いものの)放射性物質を含んだ農作物が出荷され摂取されていると思われます。
(追記 そもそも全ての種類の農産物を検査しているわけではないので、検査していない種類のものには大量の放射性物質を含んでいる可能性もありえます)
その間にどれほどの放射性物質を食べてしまったことでしょう。
微量だから、構わないという判断をされたのでしょうか。
少しでも被曝を減らして1年後を迎えてもらいたいのであれば、放射性物質が含まれている可能性のある食材の摂取を控えるように訴えるのが、一番最初に書くことであったのではないかなと思います。


なお、念のために書いておきますが、当方自身は、福島や茨城や宮城の食材を食べるなと言いたいわけでは有りません。少しでも被曝を減らしたいと言うのであれば、食材の摂取を控えるよう訴えるのが当然と思われるのに何故しなかったのかという疑問を持ったということです。
生産者のことを考えられたというのであれば、(摂取を控えるよう強く訴えておられる)武田教授の名前を出される際に、意見の相違があることを書かないというのは、読者を混乱させるのではないかということです。

http://takedanet.com/2011/04/post_a421.html 武田邦彦 (中部大学): 原発連休明けの生活(6) 野菜パート2(セシウム
http://takedanet.com/2011/05/post_4637.html 武田邦彦 (中部大学): 連休明けの生活(7) 食材をどう選ぶか?
http://takedanet.com/2011/05/post_7af2.html 武田邦彦 (中部大学): 原発連休明けの生活(8)

その後の武田教授の食材に関する記述(5月23日 追記)

5月5日の記述。野菜類については何も言っていないが、特に注意を呼びかけている様子は無く、東京住民は、問題ないとの認識にいたったようにも読めます。

http://takedanet.com/2011/05/post_348b.html 武田邦彦 (中部大学): 原発連休明けの生活(11) 連休後の東京の生活
1. 3月、4月と注意をした人(マスク、ペットボトル水、食材)は、これから普通の生活に戻して大丈夫です。(略)
肉、鶏卵などはOKです。魚は7月ごろまで大丈夫なので、危なくなったらこのブログに書きます.海洋の汚染はまだ進んでいません。(略)
給食も問題ですが、これも一食だけですから、他の食事をお母さんが注意してあげてください。

5月22日の記述。子供の居る家庭では、茨城産の農作物は避けるように明言されていますね。放射能の問題か行政の対応の問題かは別にして。

http://takedanet.com/2011/05/post_17cb.html 武田邦彦 (中部大学): 厳しい問題・・・茨城産の農作物は安全か?
茨城産のホウレンソウは当面、買うことが出来ません。(略)
それでは危なくて、茨城産のお茶の葉は買えません。(略)
これではお母さんは茨城産の魚を買うことができません。(略)
子供達の健康を心配するお母さんは、茨城県の食材を買うのは危険です。そして、それを生産する人たちも、不完全な検査と発表の被害者です.(略)
「今の時期は少しでも放射性物質の含まれている食材は避けよう」と言っている


(次回で終わる予定)