今日は、佐賀県の知事選挙の投票日

(文末に選挙結果を追記しました)


他県の選挙なので通常なら関心は持たないのですが、今回は、元武雄市長の樋渡啓祐氏が立候補したということで、無視はできなくなりました。
よく知らない他県の選挙に口出しするのは控えたほうが良いと思い当ブログでは取り上げませんでしたが、後になって書くのも、後出しジャンケンになりますので、投票日の朝に書いておきます。


自民党に推薦されて出馬している樋渡啓祐氏については、当ブログでも図書館などの話で名前を出したことがあります。
私がネットで見ている範囲では、非常に問題のある市長さんとしか思えません。
こんなブログ ウェブサイトもあります。
あなたは樋渡啓祐を佐賀県知事に選びますか?


反自民、反権力的な気持ちがあるのなら、有力な対抗候補に一本化したほうが、“まだまし”な選択だと思いますが、そうできないところが野党の野党である理由でしょうし、そうさせないところに自民党(権力者)の強さの根源があるということなのでしょう。


当ブログでは、原発関係の話も取り上げているので、その観点から言うと、4人の候補者のうち、島谷幸宏氏のみが、再稼動の反対を明言しているようです。

=県知事選 本社世論調査= 【本記】|佐賀新聞LiVE

 反原発、反オスプレイを掲げ、市民団体を中心に草の根で支持拡大を図る島谷は、共産や社民のほか、民主の一部からも支持を受ける。

「反原発」「反オスプレイ」「共産、社民の支持」という点で、負けフラグが300本くらい立っているとしか見えませんが、もともと市民との対話を重視して実行していた大学院教授のようですから、選挙戦で市民との対話の場を増やせるのなら目的は十分に果たせるということなのかもしれません。
(これまでの活動については、ほんの少ししか知りませんが、政治家として権力で世間を動かすよりも、現場で人と接して、人の意識を変えることで世の中も変化させていかれたほうが、ふさわしい方のように見えます。
権力で世の中を変えるには、沢山の同士(支持者)と、敵対者への無情な扱いと、タイミングが必要なので、そう簡単なことではないはず)



知事選に絡んだ世論調査原発についても報道がありましが、玄海原発の再稼動について賛成が半数を超えたそうです。
将来的な原発のありかたについても、「即座にゼロ」は1割に達していませんし、再稼動を容認する人は「将来的にゼロ」を含めれば実に9割弱にもなります。(含めなくても過半数
このような県民の意識のあるなかで、反原発を訴えるのは、住民の意思に沿った政治とは言えないですよね。

=知事選世論調査= 原発再稼働「賛成」半数超す|佐賀新聞LiVE


原発の将来的な在り方では、「今より増やす」「減らして維持」「現状維持」と回答した“維持派”が52・0%を占め、8月の調査より6・5ポイント上がった。一方で、「将来的にゼロ」「即座にゼロ」を合わせた“脱原発派”は44・1%で8・1ポイントダウンした。


ちなみに、この世論調査について、固定電話を対象としているから、携帯電話しか持たない若者の意思は反映されておらず、若者の回答が増えれば、もっと反対が多くなるはずだという批判があるようです。
でも、現状の日本では、携帯電話を対象としなくても変化はないそうです。(そういう調査結果が有る)
それに、その記事の最後に書いていあるように、原発の再稼動について世代別にみると若者(20代)の賛成が最も高く、70代が低かったそうです。
つまり携帯電話を対象として若者の意思が反映しやすくなったと仮定するなら、もっと再稼動賛成が増えていたはずです。
ま、変な批判をしてしまうのは、読んだ人にマスコミや権力への不信感を植え付けることを目的としているからなのでしょうが、真っ当なやり方ではないですよねぇ。



オスプレイについては、新聞社によって、ずいぶんと違っていますが、4〜5割の県民が賛成しています。
これも、単純に反対してしまうのでは、県民の意思にかなったものとは、とても言えないですね。
=知事選世論調査= オスプレイ配備計画|佐賀新聞LiVE

樋渡・山口氏競り合う 佐賀知事選本社情勢調査 : 最新ニュース : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

九州電力玄海原子力発電所佐賀県玄海町)の安全性が確認された場合、再稼働することに、「賛成」が53%、「反対」が36%。陸上自衛隊が計画している輸送機「MV22オスプレイ」の佐賀空港佐賀市)への配備については、「賛成」が39%、「反対」が48%だった。

樋渡啓祐氏が当選すれば、橋下徹氏が首長になったときのように地方自治への関心が全国的に高まって、国民の政治意識の向上につながるのかもしれませんが、佐賀県民や、民主主義そのものにとって、善いことなのかどうかは、非常に疑問です。

追記 選挙の結果

STSサガテレビ|佐賀県知事選挙

投票総数 369114票。山口氏の獲得票は50%、反原発などを訴えていた島谷氏は9%で1割に達していません。有効投票数は366310票でしたから供託金は没収ということでしょうか。反原発を掲げて、ここまで負けてしまったのはでは各地の反原発の運動へのダメージも少なくないのでは。

玄海原発のある玄海町の投票結果。再稼動反対を訴えていた島谷氏は 113票(投票総数 2766票のうち4%。共産党基礎票でしょうか。廃炉という地元自治体には多大な影響のある政策を打ち出しているのに、全く支持されていませんでした。もし知事になっていたら、地元自治体に強権的な対応をすることになってしまうので、より丁寧な支持拡大が必要な場所のはずですが出来ていなかったようです)

樋渡氏の地元の武雄市での投票結果は、前市長なのに、この程度の票差でした。これでも善戦だという解釈もあるようです。

STSサガテレビ|佐賀県知事選挙




無効票は、2804票。約1%でした。わざと安倍晋三と書いて無効票にして人もいるのではないかという話も。
佐賀県:佐賀県知事選挙 開票結果(確定23時18分発表)


同時に行われた武雄市長選挙の結果
知事選挙で敗れた樋渡氏が市長を務めていた武雄市では、樋渡氏の後継とされる小松市が当選しました。本当に僅差でした。前市長にとらわれない市政を行ってほしいものです。

【本記】武雄市長選は小松氏が初当選|佐賀新聞LiVE

元市秘書課長の小松政(ただし)氏(38)=武雄町富岡=が1万4081票を獲得、新人で医療法人役員の谷口優(まさる)氏(67)=武雄町武雄=を696票差で破って初当選を果たした。


佐賀県知事選挙は、インターネットが結果を左右した最初の選挙のように思えます。
もし、樋渡氏への落選運動がネットで行われなかったら、別の結果になっていたでしょう。
樋渡氏は、日本ツイッター学会長の会長を名乗るなどネットを利用しようとしていましたが、足元をすくわれましたね。
昔々、「2ちゃんねるは、敵に回すと怖いが、味方に付いても何の役にも立たない」という名言が有りましたが、ネットの選挙も似た様相になりそうです。
ネットを使う人が増えていくことで影響力は強くなっていくでしょう。候補者の政策や、応援するような情報が広まるのなら良いのですが、そうはならない可能性が高そうです。
世界の状況がギスギスしている現状とあいまって、政治や社会の劣化が進んでしまいそうな気がします。政治家にも有権者にも清廉な行動が求められます。



山本一郎氏の記事が総括としてまとまっているようなので、リンク。
「地方対中央」? 波乱な感じ強まる保守分裂の佐賀県知事選(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

津田大介先生の沈黙 ネット上で落選運動の標的“嫌われ者”樋渡啓祐さんに取り込まれた? | ビジネスジャーナル

ビジネスジャーナルで連載が始まりました



◆佐賀県知事選/安倍政権は昨年の滋賀、沖縄県に続く敗北/「佐賀のことは佐賀で決める」 - てらまち・ねっと

日本農業新聞 「官邸対農協」に地元困惑 「改革」より「人」が争点 佐賀知事選 (2015/1/13)

自民党関係者は「JAだけの問題でなかったのは明らか。党本部や官邸がトップダウンで決めた反動だ」と指摘。地元マスコミ記者は「県民の関心は玄海原発の再稼働や佐賀空港へのオスプレイ配備といった問題にあった」とする。

佐賀県知事選の結果は、ネット選挙(落選運動)の影響によるものか?(西田亮介) - 個人 - Yahoo!ニュース

佐賀県知事選挙が暗示した「落選運動」とネット選挙の本質:坂本英樹の繋いで稼ぐBtoBマーケティング:ITmedia オルタナティブ・ブログ

佐賀県知事選とネット選挙(上) 違和感が人を集めた〜ひまじんうんことYahoo!ブリーフケース - 高圧☆洗浄機

【名言か迷言か】直前まで「楽勝」だと信じ込んでいた “佐賀の乱”鎮圧できなかった自民執行部の「傲り」と「油断」(1/6ページ) - 産経ニュース

「本当に勝つと思っていた」−。11日投開票された佐賀県知事選は、自民、公明両党の推薦候補が政府の農協改革に反発する佐賀県JAグループの支援候補に約4万票もの大差で敗れた。自民党幹部は開票の直前まで“楽勝ムード”と思っていただけに、昨年敗退した滋賀県知事選や沖縄県知事選とは比べものにならないほどショックは大きい