指定廃棄物の最終処分場の放射線濃度はどのくらいか。

8000Bq/kg を超える放射性指定廃棄物の最終処分場は、一度、高萩市に建設を計画されましたが、撤回されて、現在、建設場所を再選定中です。
この最終処分場に保管される放射性物質の量をイメージできるような計算をしてみました。


前提条件
●廃棄物の放射線濃度は平均して 20,000Bq/kg とする(実際はもっと低いと想像しますが、切りの良い数字にしました)
茨城県で処理する廃棄物の量は、 3,000トンとする
●地面の土(地表5センチ)の放射線濃度は、200Bq/kg とする(常総市の測定結果などから)
●土の密度は2(g/cm3) (t/m3)とする


ここから計算すると、
指定廃棄物に含まれる放射性物質の総量は、
 20,000 Bq/kg × 3,000,000 kg = 6 ×10^10 Bq
200Bq/kg の土の量に換算すると、
 ( 6 ×10^10 Bq)÷ 200 Bq/kg = 3 × 10^8 kg
密度を2として体積に換算すると、
 ( 3 × 10^5 t ) ÷ 2(t/m3) = 1.5 × 10^5 m3
この土を、厚さ5センチに拡げると、
 (1.5 × 10^5 m3)÷ 0.05 m = 3 × 10^6 m2 = 3 km2
となります。


結果、(常総市の)3平方キロメートル程度(約1.7キロ四方)の広さの地面にある放射性物質と同じ量ということになります。(計算を間違えていなければ)


多いか少ないか、感じかたは分かれるでしょうが、少ないと感じる人のほうが多そうな気がします。
(逆に、地面の汚染は、こんなに酷いのかと感じる人も居るでしょうけど)



また、最終処分場をとても危険な施設であるかのような印象を持っている人も少なくないようです。
でも、分厚い壁のある建造物の内部に密閉されて保管される指定廃棄物と、自分達の足元に存在して風で漂うこともある放射性物質を比べたら、処分場の危険性なんて、ほとんど無いと言っても良さそうに感じます。
水源の汚染を指摘されているようですが、どう考えても地面にすでにある野良放射線物質のほうが影響は大きいでしょう。



心配されている方々は、清浄な場所に、危険なものを持ってくるというイメージを持っているように感じるのですが、実際は、そんなことはないんですよね。
もちろん、既に汚れているから、もっと汚れても構わないだろうというのは暴論ですが、誤ったイメージを元に発言しても説得力がありません。



処分場に反対する理由は、放射線の危険性だけでは無いので、こんな計算は無意味かもしれませんが、具体的な数字も必要だと思い、この記事を書いてみました。






身近な放射性物質の例

http://kinoko0725.blog68.fc2.com/blog-entry-1481.html ポコ・ア・ポコ 里山暮し 怖い吹き溜まり
煙霧と言うより砂嵐だった昨日、
収まった今朝には結構な吹き溜まりが出来ていた。(略)
6,171ベクレル!

http://kinoko0725.blog68.fc2.com/blog-entry-1488.html ポコ・ア・ポコ 里山暮し 麻痺する感覚
畑(元)の表面の土を集めて計測すると
2,800ベクレル/kg!ワーイ3,000を下回っている。
ん?感覚がおかしくなっているなぁ、
平米に直すと、とてつもない数値なのに・・・

https://twitter.com/Tomynyo/status/316008448066207744 Twitter / Tomynyo: 【速報】http://t.co/mv5JYZeGB9 久々に ...
屋上に上がったら結構堆積物が溜まってたので、例によってダイソンで集めてみた(この一年半に新たに溜まった堆積物です。)
→結果、セシウム合計約16000Bq/kg


以下はネタです。

(指定廃棄物の)最終処分場の建設の話を、「市町村(市民) vs 日本国」の対立であるかのように感じてしまうことがあります。
でも、設置場所が決まらなくても、日本国は何も困らないのですよね。
困るのは、指定廃棄物が仮置き場に山積みになっている市町村だけです。
それに国にしてみれば、県内の市町村が話し合って設置場所を決めてくれれば、それでも良いわけですよね。


ということで、各市町村に提案してみます。
原発の再稼働を条件に、最終処分場を誘致しませんか?」


自民党原発を再稼働したいようです。そして茨城県自民党が強く、市町村議会でも自民党の党員や、親しい議員が多いようです。
それであれば、上記のような条件で最終処分場を誘致する市町村があってもいいですよね。
他の自治体も、指定廃棄物の処分を依頼する立場になるので、原発の再稼働を反対できなくなるでしょう。
いくつかの市町村は原発の再稼働に反対する意見書を出していますが、これをきっかけに、パタパタと逆転できますよ。


原発の可否を絡めるのはいいアイディアかと。
(今日は気楽に書けるな)



追記 2014年11月13日

上記で行った指定廃棄物と地上の放射性物質量を対比した計算を、栃木県にあてはめる場合の参考になりそうな資料を置いておきます。
簡単に検索して出てきたものなので古い情報ですし、詳細な数字データまでは見つけていません。
また、Bq/kg と Bq/m2 の変換は、前提条件を仮定する必要が有るため、単純に変換できるものでは有りません。塩谷町の地上に沈着した放射性物質は、常総市よりも数倍は多そうだということを示すためのものです。





出典 環境省 平成24年の資料
http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/waste_fds-candidate_20130225-3.pdf
http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/contents/5000/4930/24/1305819_0727.pdf
http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/contents/5000/4932/24/1940_0830_2.pdf
http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/contents/5000/4891/24/1305819_0722.pdf
なお、塩谷町の土壌汚染の航空機調査結果については、こちらに拡大画像がありました。濃度が異なって表示されているのは、基準日の違いか、計算ミスを修正する前後の違いだと思いますが調べていません ・・塩谷町 - kodomo-mirai Jimdoページ