小泉俊明議員による測定結果は、評価が必要では?
小泉俊明議員がハンディタイプの測定器で放射線量を測定されていました。
http://garoukan.mobi/koizumi/?p=1156 5/6(金)茨城県南9市町村の放射線量を測定しました。 -国土交通大臣政務官 衆議院議員 小泉俊明
書かれている数字は機器が表示した値でしょうが、その値が大気放射線量を示しているかどうかは、別問題です。
測定器を使う場合は、こちらのレポートの写真のように、機器をビニール袋でくるみ、手袋をするなどしないと、放射性物質が機器に付着してしまうため正常な測定が出来ないようです。(測定場所ごとに交換する)
福島市内での一般家屋における、庭の表面の土除去による放射線レベルの変化(レポート)
測定結果を見ると、全ての地点(取手市・守谷市・竜ヶ崎市・牛久市・稲敷市・阿見町・利根町・河内町・美浦村)で数字が高め(0.273μSv/h〜0.503μSv/h)になっています。
しかしながら、KEK (つくば市)等の数字をみても、5月6日頃に特別高くなっているようには見えません。(ブログを見ると、5月2日から測定を始められ、6日になって初めて値が高くなったようです)
http://rcwww.kek.jp/norm/ つくば(KEK)の線量
http://www.aist.go.jp/taisaku/ja/measurement/all_results.html 産総研:東日本大震災関連情報
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/earthquake/doserate.html 放射線テレメータ・インターネット表示局
測定時の写真をみると、袋に入れるなどの注意は払っていないので、測定器に放射性物質が付着したため高い値を示している可能性があります(土の上に落とした?)。
茨城県では、議員が使用したのと同じ測定器を各市町村に配布し、学校等で測定する予定だそうです。
配布時には講習会も行われるそうですから、それなりに信頼できる値が得られるとは思うのですが、限界があることは知っておいたほうがよいと思います。
何らかの値が出たとしても、その値について、ちゃんと考えてから行動しましょう。
あと、議員においては、5月2日に計測を始めておられるのであれば、その数字も書いていただかないと、折角のデータが有効に使えません。お時間が有るなら過去の数字も書いておいていただければと思います。
追記
最大値と最小値の差が0.230μSv/hほどありますから、相対的に取手、守谷付近の放射線量は高いのかもしれません。
ただ、これも移動するにともない測定器に付着していた放射性物質が落ちた可能性がありますので、なんとも言えませんね。
追記2
測定日も測定地点も違うので単純な比較は出来ませんが、議員の測定では9市町村で高い数字が出ているのに、こちらの測定結果では、さほど高い数字にはなっていません。http://ow.ly/4QdDT
やはり、小泉議員の測定は高い値を表示している可能性があるように思います。
ただ、守谷・取手あたりから南西方向は、事故原発に近いつくば市よりも高い値を示す傾向があることは、頭に入れておいたほうがいいようですね。
追記3
守谷市役所は使っている石材からの放射線も考えられるようです。
守谷市の測定結果を判断する際には留意しておく必要があると思います。
(専門の技術者が測定するようなのでその辺りのことは、ちゃんとやってくるれるとは思いますが)
http://www.j-muse.or.jp/tamatebako/kankyo/cb09/page02.html 自然放射線を測定しよう
あと、小泉議員の測定値は、携帯電話等の電磁波の影響も考えられるようです。
参考になりそうなリンク
http://twitpic.com/4tpwok 異なる測定器の測定結果を比較することの難しさ
https://docs.google.com/document/pub?id=1wTJmhKLhGI8gUUJGP3Dcro3fIXa037B6gSsBzGP32oU 簡易放射線量測定器でできるだけ良い測定を行うコツ
(3.測定の限界を知りましょう)
どのような測定機器にも誤差があります.市販の放射線量測定器は一般的には比較的誤差の大きな測定器です.例えばある測定器のカタログに,「測定誤差:±20%」,といった情報が記されていたとします.この例では,ある値を測る時に,80%〜120%まで,つまり最大1.5倍も値がばらつくことになります(それに加え,放射線を出す物質(核種)が異なると全く値が変わってきます).その他にも,測定方法からくる誤差も含め,さまざまな要因による誤差が測定値には入ってきます.例えば,測定時の周囲の状況にも左右されますし,測定時の温度が異なれば誤差が生じる測定器もあります.これらの誤差が合わさると考えると,極力同じように測っても値が2倍〜3倍ぐらい違っても不思議ではありません.値のちょっとした変化に一喜一憂するのではなく,どれぐらい変化があって当たり前か(測定の限界)を知り,それを超える変化があった時には注意をする,といった扱いが必要になります.また,他の人と測定値を比べる時には特に注意が必要です(限界の目安の求め方,比較の際の注意点は後ほど述べます)
http://www.horiba.com/jp/scientific/products-jp/scintillation-detectors/details/pa-1000-3124/ 環境放射線モニタ PA-1000 Radi(ラディ) - HORIBA 茨城県の市町村が測定に使う機器はこれらしい。13万円くらい。小泉議員が測定に使った機種はこちら。また、県が各自治体に配布した機種もこれのようです。http://goo.gl/ygBYM http://goo.gl/d3eHc (5月15日修正)
追記(5月10日) この件、大きくなりましたね。
小泉議員は、この測定結果ブログに載せるだけではなく、学校等に送付していました。
こちらの県議さんがブログに FAX 内容を載せています。
http://ameblo.jp/kajiokahiroki/entry-10887397841.html#main 小泉政務官の放射線量測定報告に困惑 取手市教委 産経新聞 実際のFAX 【かじおか博樹の声明】|かじおか博樹 オフィシャルブログ「この木なんの木かじおかひろ樹」 みんなの党 茨城県議会議員 梶岡博樹 Powered by Ameba
そして、新聞記事にもなっていました。
不用意に文書を学校等に送ったことも問題ですが、本気であの数字を正確なものだと認識されておられることの方が気になります。
不正確な情報をばら撒いてどうするんだよ!!!!
原発事故担当者なのに、気軽に質問できる専門家や技術者はいなかったのだろうか。せめて近隣のデータと比較してみて疑問を感じて欲しかったです。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20110510/CK2011051002000045.html 東京新聞:放射線量公表で困惑 「高い数値」と国交政務官 取手市:茨城(TOKYO Web)
HPを見た保護者から市教委などに問い合わせが相次ぎ、(略)
小泉政務官は「私は原発事故の担当で詳しい情報も入る。より正確なデータを提供したいと思った」と話す。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110510-00000118-san-soci 小泉政務官の放射線量測定報告に困惑 取手市教委 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
http://www.ibaraki-np.co.jp/news/news.php?f_jun=13052068093171 小泉政務官、独自測定し「外で遊ばせないように」:茨城新聞ニュース
電子版には無いようですが朝日新聞茨城面
小泉氏は「原発の担当者で詳しい情報も入る。より正確なデータを提供したいと思い、政務官ではなく一衆議院議員として、9市町村の首長や小中学校にファックスし、ブログでも詳しくお知らせしている」
事態は終息へ?(5月12日 追記)
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20110512ddlk08010137000c.html 放射線量値送信:9市町村長、国交相と小泉政務官に質問書 きょう提出 /茨城 - 毎日jp(毎日新聞)
9市町村長が連名で小泉政務官に質問書を提出することが11日、分かった。(略)
質問内容は(1)守谷市での0・503マイクロシーベルトは、1年間同じ値で、毎日8時間を屋外で過ごし続けると仮定した場合、年間被ばく量は約2・6ミリシーベルトになる。原子力安全委員会が(一般に許容される放射線量の上限として)示す年間20ミリシーベルトに対する各市町村の測定結果をどう考えるか(2)「外出時には必ずマスク着用を」「小さな子どもは外で長時間遊ばせないよう」とあるが、国の方針に基づいた、市町村が取るべき対応策ということか。とすればマスク(の費用は)東京電力または国が支給すべきだと考える(3)「食事はマグネシウムや亜鉛など傷付いた遺伝子を修復する効果が高い食材を」とあるが、国の公式見解か−−の3項目。
http://ameblo.jp/kajiokahiroki/entry-10889638421.html 民主党衆議院議員小泉俊明国土交通大臣政務官謝罪へ|かじおか博樹 オフィシャルブログ
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011051201000849.html 東京新聞:放射線量独自測定で注意呼び掛け 小泉政務官、茨城県内:社会(TOKYO Web)
小泉政務官は12日の記者会見で、注意の呼び掛けなどは政府としての公式見解ではないとの考えを示した上で「結果として混乱を招き、ご迷惑をお掛けした皆さまにおわびする」と述べた。
追記(5月12日) 茨城県の各市町村の値がでたので、一覧表にしてみた。
どちらも市役所で計っているので、測定地点による違いは少ないと思います。
測定日や、測定高さ(車だと2.1m)、天候の影響も無いとは言えませんが、ちょっと違いすぎます。
小泉議員、やっちゃいましたね。
(ポータブル測定器で計った値と、モニタリングカー等で計った値は、1.5〜2.0倍程度の違いが出てしまうようなので取り消します。ただし、議員の測定方法に問題があることは間違いありませんし、その値を不用意に公表したこと、また、その数値を使った文書に怪しげな解毒方法が書かれていたことなどから、批判を受けるのは当然のことであるという見方は変わりません。なお、ポータブル測定器での測定方法について興味がある方は、こちらの文書を参考にしてください。)
. | 取手市 | 守谷市 | 竜ヶ崎市 | 牛久市 | 稲敷市 | 阿見町 | 利根町 | 河内町 | 美浦村 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小泉議員(5月6日) | 0.484 | 0.503 | 0.326 | 0.315 | 0.273 | 0.329 | 0.371 | 0.318 | 0.319 |
茨城県(5月11日) | 0.236 | 0.226 | 0.146 | 0.159 | 0.132 | 0.156 | 0.148 | 0.132 | 0.172 |
単位 マイクロシーベルト/時
http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/20110512_02/ 茨城県>県内31市町村における放射線量率測定結果
http://garoukan.mobi/koizumi/?p=1156 5/6(金)茨城県南9市町村の放射線量を測定しました。 -国土交通大臣政務官 衆議院議員 小泉俊明
5月15日追加
小泉議員のブログ(メルマガ)を見ていましたら、5月3日に常磐高速を移動しながら測定した数値がありましたので、転記しておきます。
これも問題のある測定方法で行ったと思われますので、数字自体にとらわれる必要は無いと思いますが、相対的に、守谷、三郷付近が高いことは認めても良さそうです。
http://garoukan.mobi/koizumi/?p=1106 メルマガ☆No.1619【放射線量を計ってみました(その2)】-国土交通大臣政務官 衆議院議員 小泉俊明
行きが【霞ヶ関】を出て0.110マイクロシーベルト(μSv/h)〜0.080位でしたが、【八潮IC付近】で0.137μSv/h、【三郷料金所】で0.330μSv/h、【守谷PA手前の柏市陸橋付近】で0.331μSv/h、【谷田部東PA】0.177μSv/h、【千代田PA】0.170μSv/h、【水戸市内】が0.139μSv/h。
帰りは夕方雨になり【友部SA】で0.241μSv/h。【千代田PA】0.239μSv/h【谷田部東PA】0.174μSv/h。【守谷SA】0.328μSv/h。【三郷料金所】0.339μSv/hでした。
5月13日追加
取手市は、市内の学校等での測定を、ポータブル測定器を用いて5月13日に行いました。
http://www.city.toride.ibaraki.jp/index.cfm/12,44253,46,298,html
使用した測定器は、小泉議員が使用したものと同じ機種です(堀場製作所 PA1000)。
使用した測定機器は、はかるくんメモリー(型番NHL1)とのことです。測定機器が変わると表示される値が異なるので、他の自治体との比較がしにくくなると思うのですが、早く測定するため県からの配布を待たずに測定したということなのでしょう。それはそれで素晴らしいことだと思います。多分、こちらの機種 http://hakarukun.go.jp/html/line_up.htm#3。
下記の新聞記事にある1メートル と50センチの平均値というのは、1メートルで3回測定したものの平均値と、50センチで3回測定したものの平均値の2つを出しているという意味かと思います。(5月15日修正)
http://www.ibaraki-np.co.jp/news/news.php?f_jun=13052936239186 小中校庭や児童施設で線量測定 取手市:茨城新聞ニュース
日本科学技術振興財団から教職員研修用として短期借用している測定器30台を使い、グラウンド中心部などで測定した。
小中学校25校は昼休み時間に各校の教職員が測定。児童施設は市職員が午後2時から1時間、8班態勢で巡回し、高さ1メートルと50センチの2段階を3回ずつ測定し平均値を出した。
残念ながら市役所での測定は行わなかったため、単純な比較は出来ませんが、取手市役所に近い学校の値は、白山西小学校 0.449、取手第二中学校 0.386、稲小学校 0.372 でした(測定高さ1m )。
やはり、小泉議員の測定値は、高めな値であったと思われます。
5月14日追加
取手市の学校の値をみて、不安に思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、個人的には、特に何らかの行動をしなければならないような値では無いと感じてます。
根拠を言われると何もありませんが、世界的に見れば、同等の自然放射能レベルのところで特別に病気が多いというデータは無いようです。(たとえば、こちら。http://www.taishitsu.or.jp/genshiryoku/gen-1/1-ko-shizen.html 高自然放射線自然地域研究)
泥団子や泥水を飲食するような無茶をしないかぎり、内部被曝を考えても、統計上に現れるような健康被害はおきないのではないでしょうか(計算上は、10万人に何人程度という数字はでるようですが)。
引っ越したり、心配してストレスを感じているよりは、その費用で健康診断を受けたり、虫歯を初期状態で治療するなどしていたほうが、よっぽどで健康的に長生きが出来るのではないかと思います。
何もしないでいると、かえって不安だとしても、子供の食べ物から東日本産の飲食物(農畜産物・魚介類・乳製品)を減らす程度で十分かなぁと思います。